国立台湾交響楽団が初の来日公演

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NTSOが初の来日公演(写真:中央社)

国立台湾交響楽団は10月16日、西新宿の東京オペラシティコンサートホールで「2023NTSO来日公演~台湾を聴く」の東京公演を開催した。台湾民謡「音楽百年」組曲などを演奏し、音楽を架け橋として台湾と日本の思いをつないだ。来日公演は1945年の創設以来初めて。

ラトビア出身でオペラの指揮に定評があるアイナルス・ルビキスが指揮し、バイオリン奏者の曽宇謙をソリストに迎えた。曽は2015年にクラシック音楽のコンクール「チャイコフスキー国際コンクール」で2位入賞を果たしている。

演奏中のNTSO(写真:中央社)

コンサートはグリンカ作曲の歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲で華々しく幕を開け、続いてツェンとの共演でチャイコフスキー作曲「バイオリン協奏曲 Op.35」を情緒豊かに演奏。後半にはチャン・チンシャン(張菁珊)編曲の台湾民謡「音楽百年」組曲を披露し、台湾出身の観客の心をつかんだ。組曲では台湾でよく知られる「阮若打開心内的門窗」や「客家本色」「美麗的稲穂」などが演奏された。

来場したチェリストの堤剛さんはツェンのバイオリン協奏曲を称賛し、今回の来日公演に来られたことを喜んでいた。台湾民謡を聞くために来場したというフルート奏者の五島章太郎さんは「声楽家は出演しないものの、音楽は歌唱性に富んでいた」と話し「この楽団は他の欧米の楽団に劣らない」と太鼓判を押した。