11/9「フィルハーモニア台湾」が東京公演を開催 ~リュウ・シャオチャ指揮~

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台湾はもとよりアジアのトップオーケストラとして知られる「フィルハーモニア台湾」が11月9日東京で公演を行なう。同オーケストラは、台北にある権威あるコンサートホール「中正紀念堂」を根拠地に活動している。日本での公演は、韓国、中国ツアーの後に急遽開催が決定した関係で1公演のみ。ファンには貴重な機会となりそうだ。主催は創業61年目に入るKAJIMOTO(音楽事務所)。

同音楽事務所は北京、パリにオフィスを構え、ヨーロッパのクラシック音楽シーンを日本に招聘しながら、アジアでのコンサートも企画している。

フィルハーモニア台湾は、1986年に台北で創設され、ウィーン、パリ、ベルリン、シンガポール、クアラルンプールなどでその名演を披露してきた。2010年8月には前任の名指揮者チェン・ウェンピンの後を継いで音楽監督に就任したのが天才指揮者と評判のリュウ・シャオチャである。

リュウ・シャオチャ (呂:陳建仲)

リュウ・シャオチャは台湾出身。インディアナ大学ブルーミントン校とウィーン国立音楽大学で研鑽を積み、ブザンソン(フランス)、アントニオ・ペドロッテイ(イタリア)、キリル・コンドラシン(オランダ)の3大国際指揮者コンクールで優勝という快挙を成し遂げている。

デビューは1994年のミュンヘン・フィル。以後、着実に世界で実績を積み上げ、昨年は世界最高峰のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団にデビューを果たした。また、98年からドイツのライン州立フィルハーモニー管弦楽団およびコブレンツ劇場で総音楽監督を務めている。

「2010年にフィルハーモニア台湾の音楽監督に就任したリュウ氏は楽団の演奏技術や表現力を一段とレベルアップさせたと言われています。新しい曲に挑戦していますし、視野を広げようとしていますね」(KAJIMOTO公演部マーケティング担当藤井直毅さん)

●公演内容

公演日時:11月9日(金)19時開演

会場:東京オペラシティ コンサートホール

出演:リュウ・シャオチャ(指揮)/フィルハーモニア台湾/萩原麻未(ピアノ)

曲目:チャイコフスキー:幻想序曲「ロミオとジュリエット」

グルーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16

ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界より」

萩原麻未(萩原:Akira Muto)

今回の公演の特徴のひとつに日本人ピアニスト萩原麻未さんの出演がある。萩原さんはラヴェルのピアノ協奏曲で2010年のジュネーブ国際コンクールの最終選で日本人初優勝を果たした。その後パリを拠点に2年間研鑽を積み、現在、注目されるピアニストの一人。2人のコラボレーションにも注目し たい。

見どころを前述藤井さんに聞いた。

「メインはドヴォルザークの新世界という曲ですね。第二楽章の部分は『家路』という皆さんによく知られた曲の元になっています。親しみ易い有名な曲だからこそ、逆に上手さが問われます。ぜひ、聞いて欲しいと思います」