吉本興業が「台湾・金門島 WIND LION PLAZA」説明会を開催

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吉本興業東京本部会場

吉本興業は、11月8日、吉本興業東京本部(東京都新宿)で、創業100周年事業の一環として、台湾の大手デベロッパー台湾土地開発株式会社(本社:台北)と提携し、台湾金門県金門島に2013年7月にオープンするショッピングセンター「WIND LION PLAZA 南館」(中国標記:風獅爺(フーシーイエ)購買中心)の事業・企画説明会を開催した。

吉本興業は、8月にすでに事業の概要を公表しており、今回の説明会を機に日本47都道府県の名産品、特産品を集めた物産展に出店するテナントの募集を開始する。

泉正隆副社長

冒頭の挨拶に立った株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー泉正隆代表取締役副社長は、「『WIND LION PLAZA 南館』によって、中国の大消費地に向けて日本の魅力、ブランドを伝えていきます。弊社は日本だけでなくアジアでも世界でもメディア力の強化を図っており、弊社の所有する中国、台湾における企画制作力、メディア力を駆使し、この金門島日本物産展『よしもと47ご当地市場』の魅力を発信していきます。来年の夏には、アジアで大きな話題になるよう努めたいと思います。ぜひ、台湾でのご出展をご検討ください」と語った。

陳升恒氏

次いで、台湾土地開発株式会社の陳升恒氏は、金門島は昔、戦場だったため開発がなされず、20世紀の末に解禁となるや、汚染されていない海岸線や戦場の赴きが人気を呼び、いまや観光客は年間200万人を超えていること、2013年6月には台湾と中国との間で両岸自由貿易協定が締結される予定で、そのモデル地区となっていること、『WIND LION PLAZA 南館』は、金門空港正面ゲートから200mの好立地にあるが、この先ショッピングセンターの建設予定はないこと、などを強調した。

内田勝規氏

株式会社オフィス内田の内田勝規取締役は、前職・東武百貨店の北海道物産展などを担当、物産展の年間売上を13倍以上にした実績を持つ物産展仕掛人。同氏は、台湾は活気があり、日本製品への欲求も強いとしながら、中小企業や零細企業が台湾や中国に出展したいと思ってもリスクや不安があって難しいかもしれないが、今回は吉本興業や台湾土地開発がオペレーションを組んでくれるので、日本製品を中国大陸に発信し、販売する大きなチャンスではないか、と参加者に呼びかけた。

三上公一氏

最後に挨拶した株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシーの大阪統括センター・物産 商品開発担当 三上公一チームリーダーは、「WIND LION PLAZA 南館」の立地(台北・高雄から飛行機で60分、中国福建省廈門・金門間30分~1時間)や市場(来台観光客の購買分析の結果、日本、中国とも名産・特産品を購入する割合が高い)の特徴を説明しながら、ターゲット顧客像は、1位.中国からの観光客(団体65%・個人35%)、2位.台湾本島からの観光客(40%)、金門島を経由する台湾・中国ビジネス客(10%)を想定していると述べた。このほか、販売形態(委託販売・固定販売・プロモーション販売)や輸入規制、免税について、説明があった。免税については、離島建設条例による免税特例が認められており、吉本興業もこのメリットを利用するとしている。

後半の質疑応答で答弁に立った賴昭輝氏(台湾土地開発関係会社)の回答が印象的だった。最も人気となりそうな商品としてお酒をあげた。関税率60%がゼロになるため、高価な日本酒等も手軽に入手できるようになる。

午前11時に始まったプレゼンテーションは、約1時間ほどで終了、その後、個別質問。相談に移った。

ちなみに、吉本興業は8月に、以下のような構想を発表していた。

1.日本をテーマにしたショッピングセンターとしては、アジア最大の「WIND LION PLAZA南館」において、日本47都道府県の名産品、特産品を集めた物産展の企画立案・運営・また日本企業へのテナント・リーシング(新規のテナント・店子を探してくる企画・コンサルティングを含む営業活動:20~25テナント予定)を行う。

2.「WIND LION PLAZA」は、台湾土地開発が、台湾・金門県政府の政策「国際観光島」「免税ショッピング島」を受けて、台湾・中国両岸の交流を目的に、金門県政府より認可を受けて始動した台湾最大のプロジェクトの1期計画に当たり、北館・西館・南館から構成され、台湾・日本・韓国をテーマにした施設、グルメ・アミューズメント施設、インターナショナルブランド店舗を展開する。

3.同プロジェクトは、金門尚義空港から約200mに位置する利便性、台湾政府の「離島建設条例」による免税特例、中国建省廈門市を中心とした約5000万人の海峡西岸経済圏をマーケットとして見込んでいる。

4.2012年4月より大阪・難波千日前に、日本初の常設物産展「よしもと47ご当地市場」をオープンし、日本各地の人・モノ・情報の発信基地として実績をあげたノウハウを生かし、台湾・中国の消費者に日本の魅力・ブランドを伝えていく。

5.吉本興業が所有する台湾・中国における企画制作力、メディア力も駆使し、巨大な中国市場に向けて、日本の魅力・ブランドを発信していく。また、中国においては、上海最大のメディアグループである上海メディアグループ(SMG)と共同運営している3億人以上の視聴者数を誇る「チャンネルヤングクール」や、台湾においては、2001年開局の台湾有数のテレビ局である東風電視台と共同運営しているアジアを拠点に欧米まで拡がる約1500万世帯のネットワークを持つ衛星放送「吉本東風衛視」でのテレビ番組の制作を通して、継続的に展開していく。