沈斯淳・駐日代表 2013年元旦祝辞

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 日本の友人の皆様、在日華僑の皆様、謹んで新年のお祝いを申し上げます。
 
 昨年5月30日に駐日代表に着任してから半年が経過しましたが、昨年を振り返りますと、経済・貿易、観光、文化交流などさまざまな面において大きな進展があり、台日関係の緊密さを改めて実感しています。
 
 昨年は、経済面では「台日産業協力推進オフィス」の開設や、「台日特許審査ハイウェイ(PPH)覚書」、「台日電機電子製品相互承認協定」、「台日産業協力架け橋プロジェクト協力強化に関する覚書」が調印されるなどの具体的な進展がありました。また、観光面では台日オープンスカイ(航空自由化)協定により、日本の石垣島、鹿児島、静岡、富山、函館、旭川、帯広、釧路などの地方空港と台湾を結ぶ航空路線が次々と開設され、昨年の台日間の往来人数は、一昨年の約250万人を大幅に超え、300万人に達する勢いとなりました。
 
 昨年は東シナ海の緊張が高まることもありましたが、台湾と日本は海を隔てた友邦であり、馬英九総統は昨年8月に「東シナ海平和イニシアチブ」を提起し、争議を棚上げし、理性的な対話と共同開発を通じた平和的解決を呼びかけています。昨年11月には、第17回台日漁業会談開催に向けた予備会談が開かれ、今後も誠意と善意をもって協議を継続させていくことで一致しました。第17回台日漁業会談で具体的な成果が出るよう期待しています。
 
 今年、当代表処は、4つの目標に向かって邁進していく所存であります。第1は、台日間の産業分野における連携の促進です。昨年の日本企業の台湾への投資総額は第4位でしたが、投資件数は第1位でした。これは、台日の中小企業間の連携が活発に行われていることの表れといえます。台湾の経済の主体は中小企業であり、日本の中小企業が台湾と連携して、中国大陸および世界のマーケットを目指すことは、お互いの強みを活かし、補完し合え、双方にとって有利なビジネスとなるでしょう。今年は、これらを基礎に引き続き「積み上げ方式」によって可能な部分から着実に、経済連携を深めてまいりたいと願っています。
 
 第2は、文化面での交流の促進です。今年4月に「宝塚歌劇団」の台湾初公演開催が決まり、「楚留香」を題材にしたショーが披露されます。また、台北の「国立故宮博物院」収蔵品の日本での展覧会も来年6月~9月に東京国立博物館、同10月~11月に九州国立博物館で開催されることも決定しており、それに向けた準備を進めてまいります。
 
 第3は、観光面における交流の促進です。現在、台日間は毎週350便のフライトがあり、今年は台湾から新潟と高松への定期便が就航する予定です。観光交流の緊密化を通じて、台日間の相互理解が深まるよう願っています。
 
 第4は、若者間の交流の促進です。企業、スポーツ、文化、教育、さまざまな分野における交流に力を入れていくほか、台日間の修学旅行を通じた交流が深まるよう期待しています。
 
 私は日本に着任以来、日本のさまざまな地方を訪問しました。そのなかで深く感動したことは、日本各地の皆様が、台湾に対して極めてよい印象を持っておられることでした。このような良好な信頼関係の基礎の上に、われわれは日本の各界と連携しながら、台日間のパートナーシップを強化し、共に努力し、お互いのさらなる発展を促していきたいと願っています。日本の皆様もぜひ台湾を訪れて、台湾のよさを肌で感じてください。
 
 最後に、中華民国(台湾)政府及び国民を代表し、台日間の一層の友好増進と皆様のご健康を祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。
 
【台北駐日経済文化代表処 2013年元旦】