蒲島郁夫熊本県知事インタビュー

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熊本県は1月24日から29日の日程で台湾・香港を訪問し、一部では蒲島郁夫知事によるトップセールスを行なった。本来であれば、24日に台湾を訪問する予定の知事であったが、首相官邸で自身が委員を務める「教育再生実行会議」初会合出席のため、25日の来台となった。それでも、台湾政府機関への表敬訪問や、航空会社や百貨店へのトップセールなどを精力的に行なった。台湾新聞は26日、オークラ・プレステージ台北で訪台中の蒲島郁夫県知事に対して独占インタビューに成功し、台湾トップセールスに関するお話を伺った。

 

蒲島郁夫熊本県知事
蒲島郁夫熊本県知事

 

なぜ、台湾でトップセールスをすることになったのかと言う質問に対して知事は「第二期の選挙公約には、活力を創る、アジアとつながる、安心を実現する、百年の礎を築くと言う四つの約束があった」として、地元の産業経済活性化と国際交流の促進のために、台湾を含めたアジア地域との連携強化を以前から念頭に置いていたことが、今回の台湾訪問に結びついたことを明らかにした。また、この時期の訪問について、千葉県や三重県などのトップセールに遅れをとったことを認めながらも、「馬英九総統への表敬訪問」を実現できたこと、「九州新幹線の全線開通、(県のゆるキャラである)くまモン営業部長の活躍など、熊本県全体が活気づいている」点を指摘し、「準備万端」での訪台セールスに自信をのぞかせた。

 

 

また知事は今回の訪問での目的を「馬英九総統との会談」、「農林水産物の輸出」、「定期便就航」とし、馬英九総統には大きなくまモンのぬいぐるみをプレゼントし、総統と知事が同時期にハーバード大学に在席していたこともあり、話は大いに盛り上がったと言う。また、くまモンが台湾の百貨店で行なった店頭PRでは、くまモングッズを持った人たちが多くつめかけ、初訪台ながら、既に一定の認知度があったことに触れ、「連想ゲームではないが、くまモンを通じて熊本県を、そして熊本の商品の良さや、美味しさを知ってもらえれば」と、くまモン営業部長の力量を存分に利用した営業作戦に、期待をにじませた。

 

 

定期便就航については、熊本の地理的利便性による「ハブ」としての機能、「阿蘇、熊本城」などの観光名所、豊かな水資源による「豊富な農林水産物」など、多彩な魅力を持つことを紹介した上で、昨年の「熊本市政令指定都市昇格」、将来の「道州制導入時の州都」になる可能性を挙げ、増々飛躍する熊本を航空会社にアピールしたことを明らかにした。チャイナエアラインは将来的な戦略の中で熊本を重要な都市として認識しており、復興航空も、九州には定期便就航地がないことから、どちらもチャーター便運航を継続し、実績を増やして行くことが確認されたと言う。

 

 

また、28日には高雄市を訪問し、陳菊高雄市長を表敬訪問するが、昨年11月の陳市長の熊本県知事表敬訪問から僅か3ヶ月での再会については「その際はとても楽しい会合だったので、是非来てくれ」と高雄市側から打診があったことを明かし、27日は香港でのPRとなるが、その後すぐに「とんぼ返りして」高雄を訪問する行程となったと言う。工業都市高雄の魅力について知事は「発展の大きさ(が良い)。高雄にも行ったことがあるが、80年代と比べると、もの凄く発展した」と述べ、さらに陳市長から「熊本県との協定を結びたい」と言う申し出があったことを明かし、「将来的には可能性を追求して行きたい」と前向きな姿勢をのぞかせた。

 

 

台湾訪問の感想を聞くと「台湾はとても親日的だなと思う。食事の時にもフレンドリーに話すことができて良かった」と台湾の人とのふれあいがあったことを述べ、また初訪問のくまモンが受け入れられたことにも言及し、「もっとブレイクするのかな」と、更なる活躍に期待をよせた。

 

「一丸となっている様に」とお願いし、肩を組んで写真撮影に応じて下さった県職員の皆さん
「一丸となっている様に」とお願いし、肩を組んで写真撮影に応じて下さった県職員の皆さん

 

また、昨年7月には、熊本県で発生した水害被害に対し、台湾から多額の見舞金が送られたことにも触れ、「このことにもお礼を申し上げなければならない」と、台湾人の善意に感謝の言葉を述べた。