プユマ号用車両TEMU2000型 一番列車が出発進行

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台湾鉄路管理局(台鉄)は2月6日、昨年末から試運転を行なっていたTEMU2000型車両の営業運転を開始した。一番列車は9時20分樹林発花蓮行きの自強号5208列車で、沿線には多くの鉄道ファンがつめかけた。

 

営業投入されたTEMU2000型。
営業投入されたTEMU2000型。

 

TEMU2000型は、東部幹線の速達化を目的に台鉄が住友商事と日本車両に発注していた電車で、現在工事中の東部幹線複線電化が完成した際には新型特急「プユマ号」として台北-台東間を3時間半で結ぶ計画だ。第一編成と第二編成は昨年末に基隆港に到着し、試運転が続けられていた。しかしながら、回送中に車体の床下機器が一部の駅のプラットホームに接触する恐れがあることが分かり、急遽プラットホームを削るというハプニングがあったほか、営業認可の手続きにとまどり、営業開始直前の5日に認可が下りるなど、旧正月輸送に間に合わせるため、慌しい船出となった。

 

板橋駅にもTEMU2000型を目当てに多くの人がつめかけ、電車がホームに進入するとカメラのシャッター音が鳴り響いた。家族4人で花蓮へ帰省するという男性は「プユマ号に乗るためにインターネットで2日間かけて予約した」と言い、興奮した様子で車内に乗り込んでいた。ホームで写真を撮っていた親子は「本当は乗りたかったが、チケットはまったく取れなかったので、写真だけ撮りに来た」と話した。塗装についてインターネット上で批判の声が上がっていることについては「個人的には良いと思う。人によってセンスが違うから、批判の声は仕方ないね」と語った。この一番列車に乗るために、日本から駆けつけたファンもおり、新型列車乗車の感想を「快適だ」と嬉しそうに話した。

 

初めてお目見えしたイタリック体のTRA(台鉄)ロゴ。
初めてお目見えしたイタリック体のTRA(台鉄)ロゴ。

 

今回導入されたTEMU2000型は、既にタロコ号として営業を行なっているTEMU1000型と同様、振り子式車体傾斜装置を装備し、曲線もスピードを落とすことなく通過できる特徴を持つ。台鉄ではこのほかにも、「スネオ号」の愛称で知られる通勤型電車EMU700型電車を運行しているほか、今後EMU800型の導入を予定しており、日本製車両の導入による旧型車両の置き換えを積極的に進めている。