大阪日台交流協会野口 一会長インタビュー

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野口 一会長
野口 一会長

日台交流の質の向上でいまなすべきこと

Q会長になられた経緯は。

A僕たちの会は20年前の南大阪日華交流協会が始まりで、僕はそのときからのメンバーです。先代の会長が病気になられ、後に会長の指名で平成13年に引き受けました。受けるときの条件が「日華から日台にしたい」。日台を日本で最初に名乗った会だったんです。

Q台湾との交流の始まりは。

A最初は25年前。僕が入っているロータリークラブが台湾の桃園北区ロータリークラブと姉妹クラブでした。1年に1回は相互訪問し、その中で日本人は台湾のことを知らなさ過ぎると。できるだけ日本人に台湾のことを知ってもらいたいという意図で南大阪日華交流協会を始めようと考えたわけです。日本の統治時代を台湾の方々に教えていただいて、だから台湾のことを勉強することは日本と台湾が仲良くする一番の道だと。

Q日台交流の動機は。

A先代会長の片岡菊雄先生と安岡正篤さん(陽明学者・思想家)の影響です。安岡さんといえば、日華断交の際に岸元首相からの依頼で蒋介石氏を慰めるために出かけたり、歴代の総理は任命後必ず挨拶に出かけたと言われる人ですよね。その安岡先生を僕らも師事してきましたし、(安岡先生から)「日台交流は深くやりなさいよ」と言われました。

Q活動内容は。

A10年ぐらい前から月例会を開催しています。講師は台湾に関わりのある新聞記者、大学教授や大阪の弁事処処長さんなど。また、年に1回、記念講演も行って来ました。僕らは民間の交流ですから政治的なことにはタッチしません。また他の国の政治をとやかく言う資格もないということをわきまえています。国民党、民進党関係なく台湾との交流を目指しています。

Q大阪の華僑団体との交流は。

A大阪での活動は大阪華僑総会の洪里勝信会長のリーダーシップでしょうね。ブレないで平生からビジネスをされていることもあって、日本社会に溶け込んでいこうという想いと望郷の念も強くお持ちじゃないですかね。僕らもそういう気持ちが伝わるもんですからお手伝いをしようと思います。

Q中国とのスタンスは。

A僕らのスタンスは親台ですが、それを反中と誤解される方がいます。反中ではありません。台湾はビジネスとしては中国とやっていかないといけないし、自由、民主を尊重する同盟国としては日本ともお付き合いしていかないといけない。僕らはそれをよく知ってます。しかし日本人はあまり分かっていない。

Q今後の課題は。

A若い人が欲しい。現在、会員は70人から80人ですが、かつては130人はいました。経済事情でしょうか。ただ台湾が好き、グルメが好きとか、様々な動機はありますが、僕らのスタンスは政治ではなく文化面での交流を目差しつつ、質を高めるというか、レベルをあげていきたい。つまり、広げる活動から力点を経済問題意識(レベル)の高い人達との交流に移していくというか。日台、台中、日中のトライアングルでものを考えていきたい。

Q会として強調したいことは。

A僕らがやる活動は皆さんより1、2年早いというか、先進的なところがあります。例えば、日華から日台と初めて名乗ったり。これからも先を走っていきたい。先駆者としての苦労もあるが、やりがいもあります。

Q尖閣問題について。

A僕らには分かりやすい問題です。昭和20年8月15日までは、(日台の漁業従事者は)皆一緒だった。もともとは漁業権の問題です。台湾の人達は「なんでやねん」と。それをいつの間にか領土問題にしたと。尖閣問題では僕らは中立のスタンスでものを見れるというのは、流れを知っているからですね。

Q直近の活動は。

A台湾の留学生をバスツアーに招待します。いい思い出を作って帰国してもらいたい。滋賀県の長浜に行きます。盆梅展をやっていますし、古い町並みが残っていますからね。台湾の方はなかなか行けないでしょうしね.