旧正月の準備はじまる 迪化街に多くの人出

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乾物や珍味などの食料品や、生活用品のお店が連なる台北市迪化街では、旧正月用品を買い求めにくる多くの人で賑わっている。一家団欒を重視する台湾では、旧正月に向けて多くの食料を準備し、家族で味わうという風習が存在し、この時期の迪化街は「年貨大街」とも呼ばれ、終日、買い物客が押し寄せている。

 

迪化街の入り口は南京西路にあり、MRT中山駅から徒歩10分ほど。
迪化街の入り口は南京西路にあり、MRT中山駅から徒歩10分ほど。

 

今年の「年貨大街」は2月10日の旧正月に合わせて1月25日から行なわれている。迪化街のある地区は「大稻埕」と呼ばれ、日本統治時代以前には「艋舺」、「城内」と並び、台北の中心地的存在であった。縁結びの神様としても知られる城隍廟や、寧夏夜市もこの近くにあり、日本人観光客にもおなじみの場所だ。「年貨大街」期間中の賑やかさは東京のアメ横を彷彿とさせる。

 

平日の午前中にも多くの買い物客で賑わう。
平日の午前中にも多くの買い物客で賑わう。
活気あふれる店頭。その場で量り売りされる。
活気あふれる店頭。その場で量り売りされる。

 

迪化街に足を踏み入れると、商品の陳列方法に圧倒される。店頭には大きな袋に入れられた食材が大量に置かれ、威勢のいい元気な店員さんが声をかけてくる。多くの食材が試食できるため、実際に味を確かめてから買うことができる。台湾独特の乾物も多いため、新しい食材に出会うチャンスもある。ナッツを販売していた女性店員は「日本人のお客さんもたくさん来ている。ピーナッツが好きみたいね」と話す。お勧めはと聞くと「わさび味のヘーゼルナッツはピリリとして美味しい」と答えてくれた。

 

色とりどりの乾物。いずれも試食可能なのが嬉しい。
色とりどりの乾物。いずれも試食可能なのが嬉しい。
好きなものを好きなだけ購入できるのが魅力。
好きなものを好きなだけ購入できるのが魅力。

 

お菓子を買いに来たという台北在住の日本人女性は、カシューナッツとクルミを1kgずつ購入し、値切り交渉の結果「1160元を1000元にしてもらった」と喜びを語ってくれた。また、その様子を見ていた台湾人女性はすかさず女将さんに対して「この子に安くしたのなら、私にも安くしてよ」と声をかけ、店頭はひときわ賑やかになった。

 

山のように積み上げられた乾物。
山のように積み上げられた乾物。
どんどん試食を勧めてくる店員さん。歩き終わる頃にはお腹いっぱいになる。
どんどん試食を勧めてくる店員さん。歩き終わる頃にはお腹いっぱいになる。

 

ドライフルーツを売る男性は「ドライアップルが美味しいよ」と言って試食を勧め、また「袋に入れてしっかりと空気を抜いておけば、常温でも3ヶ月は持つ」と教えてくれた。迪化街「年貨大街」は旧正月直前の2月8日まで行なわれ、旧正月の準備に急ぐ人々を迎え入れる。夜市とは違った台湾の庶民生活を体験できる場所である。