サラリーマンランナーが震災支援感謝で台湾縦断マラソン

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大阪府貝塚市に住む大学職員宵豊一さんが ゴールデンウィーク中の4月28日、東日本大震災における台湾からの支援に感謝の気持ちを表すため訪台、台湾縦断400kmランニングを行なっている。28日午前に台北駅前を出発した宵さんは5月4日までに台湾最南端鵝鑾鼻(ガランピ)を目指したいとしている。

 

サラリーマンランナー宵豊一さん
サラリーマンランナー宵豊一さん

 

宵さんは今年50歳。2005年に勤務先である大阪商業大学の警備員だった坂本正雄さんに勧められ、その後ランニングを始めた所、走ることの魅力に取り付かれたと言う。そんな中、休暇を利用して挑戦していた全長39,000キロの日本縦断ランニングをしていた最中に東日本大震災が発生。「以降は復興支援の意味で、走る事によって多くの人に、何らかの影響を与える事が出来れば、感謝感激感動を与えられたらと思いながら走ってきた」と話す。今回の台湾縦断ランニングは「恩返しをするため」。「被災地域外の人間がやらないと行けない。被災されたいる方は大変なので、我々がそれを発信していく。そう言う事によって世界が一つになって、平和な世界が築けるのではないか」宵さんはそう語る。

 

台湾は初訪問。震災支援に対する感謝の気持ちを表現し伝えるため、訪問を決めた。「日本の隣接国として興味は有ったものの、今まで行く機会がなかった。今回は(台湾の人たちから)良い機会を与えていただいた。台湾の皆さんに感謝したい。来てみて良かったなと思う」。今回は台北駅を出発し、台湾南北を貫く「省道台1線」を5日間かけて南下して行く。ただ、大学職員の仕事をしながらの挑戦は簡単なものではない。日本は4月に新年度を迎えたばかり。来台直前も忙しく、コースについて充分な下調べが出来なかったと言う。「宿泊地を取るだけで精一杯でした」と語る。

 

異国での長距離ランニングには不安もある。どのようにして走って行くべきか、出発直前まで考えていたという。宵さんは「日本と風習や食文化が違う。その他にも何かにつけて違ってくるだろう。でも、その中に同化しないといけないと思う。馴染まない事が一番怖い。同化する事によってベストのコンディションに持って行くことが出来るとおもうし、そこで出会いが生まれてくると考えている」と話し、不安の中にも期待をにじませた。初日は新竹まで70キロ弱を走る事になるが、台北郊外には台北盆地を越える最初の難関が待っている。「結講きついと思います」と話すが、その表情は柔らかい。

 

走る事で身体以外にも気持ちにも大きな変化が現れたと言う
走る事で身体以外にも気持ちにも大きな変化が現れたと言う

 

宵さんは台湾縦断マラソンを完走した後は、ニュージーランドや、アメリカ西海岸を走る事も検討していると言う。また、機会が有ればもう一度台湾に戻り、また新たな気持ちで、台湾一周をしたいと考えている。「次回は東側(東部)も走って、気持ちを伝えたい」。50歳のサラリーマンランナーの挑戦は、始まったばかりだ。