世界的ダンサー勅使川原三郎氏が台北公演

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2009年に紫綬勲章を受賞し、国際的にも評価の高い舞踏家の勅使川原三郎氏の台北公演が5月16日から三日間に渡って行なわれる。16日午後には新舞台(台北市)で現地メディアを招いた記者会見が行なわれ、上演作品と台北公演への思いを語った。

 

会場となった「新舞台」
会場となった「新舞台」

 

勅使川原氏の台北公演は今回で4度目。今回上演される「鏡と音楽」は、2009年に東京新国立劇場での初演された作品。ヨーロッパ各地でも上演され、高い評価を受けた。この作品の上演時間は75分。途中休憩はない。勅使川原氏とKARASワークショップのメンバーら8人は、ダイナミックで躍動感溢れるダンスを踊り続ける。記者会見前に公開されたデモンストレーションでも、激しいダンスが披露され、訪れたメディアを圧倒させた。

 

勅使川原三郎氏
勅使川原三郎氏

 

「鏡と音楽」と言う作品に関して勅使川原氏は「音楽は目に見えないもの、鏡は目には見えるけど本物ではないもの。鏡の表面には実は何もない。その反対側には世界が有る様に見えるけれど、その裏側には実際に何が有るか解らない。僕らが信じているかも知れない事に疑いを持つべき。音楽は目に見えないけれど、我々の内面に強く働きかけるもの。その二つを対局に置いて作った」作品だと語る。

 

ダイナミックなダンスで観客を魅了する勅使川原三郎氏
ダイナミックなダンスで観客を魅了する勅使川原三郎氏

 

強靭な体力を必要とするダンサーについては「誰でも僕のダンサーになれる可能性はある。人間であるならば、生きるエネルギーが充分あるでしょうから」と答え、「人がどこにでも100%のエネルギーを使う事が出来れば、世の中もっと良くなるでしょう」と結んだ。また、台北公演は毎回現地プロデューサーからの熱心なラブコールに応じて行なわれていると言う。台湾の印象について「アジアで台湾は日本とともに先端的なダンスな国だと思っている」とし、「新舞台」の会場についても「気持ちよく創造的な仕事ができる場所」と台湾の芸術文化水準の高さを評価した。

勅使川原氏は台北で3公演を行った後、5月24日にはオーストリア、27日にはオランダでそれぞれ公演を行う予定だ。