日台観光サミット 年相互交流400万人目標で合意

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日台観光サミット参加者の皆さん
日台観光サミット参加者の皆さん
サミット会場の様子
サミット会場の様子

 日台観光推進協議会(西田厚聰会長)は、「2013日台観光サミットin三重」を5月31日に三重県志摩市の合歓の郷ホテル&リゾートで開催し、台湾側の主催団体「台日観光推進協議会」と2016年までに日本と台湾の相互交流人口400万人の実現を目指す「日台観光サミット三重宣言」に合意した。

「日台観光サミット」は、台湾からの訪日旅行及び日本からの訪台旅行双方の促進を目的とし、相互交流人口300万人の実現を目標として、平成20(2008)年に日台双方の旅行業界の経営者や観光業界のトップが集い、第1回の会議を台湾の台北市で開催した。その後、静岡県、南投県(台湾)、石川県、花蓮県(台湾)で開催され、今回の三重県での開催が6回目となる。ちなみに、来年は、台湾の屏東(へいとう)県で開催予定となっている。

(公社)日本観光振興協会西田厚聰会長(議長)
(公社)日本観光振興協会西田厚聰会長(議長)
台日観光推進協議会賴瑟珍会長(議長)
台日観光推進協議会賴瑟珍会長(議長)

本サミットには、旅行会社、観光団体や自治体関係者など、過去最多の214人(日本155人、台湾59人)が出席し、主催者を代表して日本観光振興協会西田厚聰会長が、「日台の相互交流は2012年、大きく飛躍し、過去最高となりました。背景には、2011年に発効したオープンスカイ協定により、日台間で多くの航空路線が開設されたことがあります。これは今年も続いています。今回のサミットでは、日台の目標も視野に入れながら観光業界のトップの皆さんといかにして双方向の需要を創出していくか議論を深めたいと思います」と述べた。

一方、台湾側を代表して、台日観光推進協議会の賴瑟珍会長は、「昨年、我々が目標とした『延べ300万人』にはわずかに届かず、業界関係者の多くは無念に感じていると思います。とは言え、この実績は皆様方の努力があってこその成長だと言えます。近年の台日観光交流は、人数の増加だけでなく、形態も多種多様な様相を呈しています。例えば『ランタン祭』と『よさこいソーラン』、東京スカイツリーと台北101ビルの友好交流など。今、はっきり言えることは台日観光交流事業は新しい時代を迎えているということです」と参加者に呼びかけた。

前夜の懇親会で:台北駐日経済文化代表処沈斯淳代表夫妻と鈴木英敬三重県知事夫妻
前夜の懇親会で:台北駐日経済文化代表処沈斯淳代表夫妻と鈴木英敬三重県知事夫妻

続いて、来賓として、井手憲文国土交通省観光庁長官、台北駐日経済文化代表処沈斯淳代表、台湾交通部観光局謝謂君局長、鈴木英敬三重県知事が挨拶した。このなかで、沈斯淳代表は、オープンスカイ協定による航空便の増大などにより昨年の日台双方の旅行者数の合計は299万人となり、今年に入ってからも4月までにすでに111万人に達し、好調であることを強調した。また、サミット会場となった三重県についても伊勢神宮、鳥羽水族館、ミキモトの真珠など台湾人にとっては大変、魅力的な観光地だと言葉を添えた。

安倍晋三内閣総理大臣のビデオ出演
安倍晋三内閣総理大臣のビデオ出演

この間、安倍晋三首相のビデオメッセージも再生された。

サミット(会議)では、「日台双方における観光プロモーションの現況報告」として、 中村達朗一般社団法人日本旅行業協会理事長、神保憲二日本政府観光局理事、鄭 憶萍台湾交通部観光局国際組一科科長、戴 啟珩台湾観光協会副会長、甲斐正彰国土交通省中部運輸局局長が台日観光の現状と課題についてプレゼンテーションを行った。

その後の意見交換で、台湾側から円安にも関わらずツアー料金が下がらないこと、富士山周辺のホテル予約や東京スカイツリーのチケット購入が難しいなどの問題点が紹介された。

最後に、本サミットの台湾側議長も務めた前述賴瑟珍会長から「2016年にはさらに交流人口を増加させ400万人を目標にしていきたい」との提案があり、採択された。引き続いてこれらの内容を骨子とする「日台観光サミット三重宣言」がとりまとめられた。「日台観光サミット」は正午には、盛況のうちに閉幕した。