肌細胞が若返る再生医療で差別化~慶友形成クリニック蘇雅宏理事長インタビュー

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医療法人社団慶友形成クリニックの、業界内のポジションを象徴する技術がある。「若返り」である。日本で細胞培養設備を自前で保有する稀有なクリニックとして、「線維芽細胞移植」による肌の再生医療で女性たちの悩みを解決する蘇雅宏理事長に話を聞いた。

慶友形成クリニック蘇雅宏理事長
慶友形成クリニック蘇雅宏理事長

Q線維芽細胞移植のきっかけは

A最初に始めたのは8年前からです。当時はニキビの凹みや水疱瘡の痕をなんとかできないかと考えました。線維芽細胞は頑固な傷痕や固い組織を再構築する力があると言われていて2年ほど試みましたが、まあまあの成果でした。そうしたなかで、老化で減少していく線維芽細胞を補充の意味で使ってみたらどうか、若返りに応用できないかと考えたわけです。

Q効果はどれぐらいの時間で実感できるか

A当クリニックは、顔(目元、頬、口元、おでこ)と首、手の甲と6つの部位を対象にしています。標準的な利用のされ方としましては、最初は1部位から入って、人により効果が表れる時期は異なりますが、外注(線維芽細胞の培養機関)を利用する場合、半年後ぐらいのところ、自前設備を持つうちの場合は、2か月から半年ぐらいで効果が確認できます。回数は、2回目、3回目を2か月後に行って完了する場合が多いですね。その後、3年後にまた来院される方もいます。これまで5~6年で10回という方がいます。

Q細胞培養の自前設備のメリットは

A線維芽細胞の数を増やすだけでなく、細胞を活性化する技術を用いています。最高の状態でその場で新鮮な細胞を移植することができます。外注の場合は、(細胞の持ち運びなどで)移植まで1日、2日と時間がかかるために細胞が劣化する場合があります。また、当クリニックの場合、コスト面の強みがあり、細胞の量も多いと思います。

Q手術との関係はどうか

A培養専門のクリニックがあります。その場合、それ以外の治療はやっていないこともあります。逆に手術しかやっておらず、細胞培養は外注に出すか。当クリニックは、線維芽細胞移植の後にレーザーをかけたり、手術と細胞培養の併用ができるところに特徴があります。

Q客層はどうか

A20代の女性は例えば、目のクマや首のシワをなんとかしたいと。あるいは、40代以降の女性は実際に弛みができてきます。20代から70代まで幅広い女性が訪れますね。

Q料金はどうか

A当クリニックは、部位(六部位)ごとの料金体系になっています。最初の培養で1部位1回の料金は40万円。プラス1部位が10万円、ですから2部位が50万円、3部位が60万円となります。基本の1部位は培養に時間がかかるために高価になっています。また、2回目からは、1部位基本料金が30万円。プラス1部位が6万円です。2回目以降は1回目に培養された細胞が使えますので安くなります。ちなみに、理論的には20代の細胞をとっておけば40代になってからその若い細胞を移植することができます。

※線維芽細胞移植術とは

美容外科における若返りの代表的な治療は、フェイスリフトやアイリフト。これらの治療は、外科的に皮膚を切除するもので弛みの改善には有効だが、老化した肌が若返ることはない。しかし、近年再生医療、移植技術が飛躍的に向上し、肌の若返りに必要な細胞「線維芽細胞」の移植ができるようになった。

プロフィル

蘇 雅宏(So Masahiro)台湾出身。1985年に来日。東北大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部形成外科勤務を経て、神奈川県平塚市民病院形成外科勤務。美 容外科医としての準備を行い、平成12年船堀・慶友形成クリニックを開業。現在、慶應義塾大学医学部形成外科(美容外科)非常勤講師も兼務 。資格:日本美容外科学会専門医、日本形成外科学会専門医ほか。