彩愛玲&クリストファー・ハーデイ「古代の光」コンサートが開催

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ハープ奏者、彩愛玲(サイ・アイリン)とアメリカ人のパーカッション奏者クリストファー・ハーディ
ハープ奏者、彩愛玲(サイ・アイリン)とアメリカ人のパーカッション奏者クリストファー・ハーディ

在日華僑3世のハープ奏者、彩愛玲(サイ・アイリン)とアメリカ人のパーカッション奏者クリストファー・ハーディとの珍しい組み合わせのコンサートが東京オペラシティで10月19日に開催された。会場となった近江楽堂は静かな熱気に覆われた。

この日のプログラムは、13世紀スペインの聖母マリアを讃える頌歌(しょうか)5曲、彩愛玲&クリストファー・ハーディ作の「古代の光」、クリストファー・ハーディ作「Lagash」、そして、アメリカ人作曲家で今年没後10年となるルゥ・ハリソンの民族音楽7曲から構成されていた。

人間に古代よりDNAとして組み込まれている懐かしい音、一言で言えば「癒し」の音楽とでも言おうか。

会場の様子
会場の様子

彩愛玲はこうした選曲について「ハープという楽器のルーツは中東にあります。ここが重要なポイントです」と紹介した。また、今回、リリースされたCDのタイトルにもなっている「古代の光」の誕生秘話を明かした。

演奏中の彩愛玲
演奏中の彩愛玲
多彩な音で魅了。クリストファー・ハーディ
多彩な音で魅了。クリストファー・ハーディ

「春に東京文化会館でのジョント・コンサートの際に(ステージに)7メートルの帯を下げましたが、視覚的に古代の光としてインスパイアされまして出来上がった曲です。昔のいつかどこかの光と今をつなぐ音が“古代の光”じゃないかな」。

4人組の若い女性ファンは「私の先生がクリスさんの知り合いというのが縁で友達と見に来るようになりました。珍しい楽器と組み合わせが魅力ですね」。

クリストファー・ハーディは自ら楽器を製作するなど、多彩なパーカッションと演奏技術で独特の世界観を表現して人気だ。

「昔からのお客様、新しいお客様に(CD発売記念コンサート)大勢来ていただきましてありがとうございました」(クリストファー・ハーディ)

「2つの楽器はいずれも起源が古く、懐かしい魂が揺さぶられる経験をしていただければ嬉しい。映画『呉さんの包丁』にテーマ音楽を提供しましたが、私も華僑3世で4分の1は華僑の血が流れていますし、祖父が声楽家で台湾の歌はいつも心のなかにあったので、大変な時代を生きる呉さんの姿に感銘して曲はどこかから降ってくるようにパッとできました」(彩愛玲)

コンサート終了後、CDを買い求めるファンが長い列を作っていた。