林威助選手、阪神タイガースを戦力外に

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林威助選手、阪神タイガースを戦力外に
林威助選手

阪神・林威助選手が、来シーズンの戦力構想から外れ、戦力外通告を言い渡された。昨年以降は、出場機会が減り、今年も1軍で1試合での出場にとどまった。
台中市生まれの林選手は高校2年生の時に福岡県柳川高校に野球留学、近畿大学を経て、阪神に入団。台湾代表メンバーとして2004年にアテネ五輪、2006年、2009年にWBCに出場、主軸の役割を果たした。2007年に115試合に出場、打率.292、15HRでレギュラーの座を掴んだに見えたが、2008年以降は右肩、左膝靭帯などの故障に悩まされた。
人柄の良さも、ファンから親しまれる要素だった。留学していた高校時代からチームメイトに溶け込み、柳川高校時代は末次秀樹氏、近畿大学時代は榎本保氏という二人の名監督のもとで指導を受けた。
台湾ファンからの支持も熱い。現在でこそ、日本やアメリカでプレーする台湾人選手は多いが、高校、大学と日本に留学し、日本人枠でドラフト会議で入団した選手の中では「先駆け的存在」だった。「台湾人が国外でどこまで頑張れるか」…..台湾人の間で林威助選手は「希望の星」だったと言える。
2007年は、あと一歩のところで規定打席に到達していた。「代打・リン」がコールされると、甲子園球場は湧きに湧いた。後にメジャーに進んだ広島・黒田や、中日・川上らエース級投手にもめっぽう強かった。阪神ファンへの印象度、インパクトも抜群。阪神ファンからも惜しむ声も多数上がっている。
一方、「打撃は良いが、守備、走塁が劣る」という評価も拭えなかった。しかし、日本ではパリーグは指名打者制を採用しており、台湾でも指名打者制。代打での集中力では群を抜いており、「代打の切り札」としての戦力でも十分、期待できる。林威助選手本人は、現役続行を希望している。今後、どういう道が林選手を待っているのか。「台湾・希望の星」の今後に野球ファンへの注目は高まる。