日本人歌手が中国語で歌う台湾オペラ「梧桐雨」、日本初公演へ

0
横浜みなとみらいホール館長の池辺晋一郎氏と梧桐雨で楊貴妃役を務める秦貴美子さん
横浜みなとみらいホール館長の池辺晋一郎氏と梧桐雨で楊貴妃役を務める秦貴美子さん

横浜みなとみらいホールは「パートナーシップ・ミュージック・プロジェクト(PMP)」の一環として2014年6月21日、日本で初めて台湾オペラ「歌劇『梧桐雨』~楊貴妃物語~」を公演する。PMPはアジアを中心とした各都市の人達と文化交流を図り、相互理解を増進し調和ある対外関係の維持及び発展を目的に設定された企画である。

これを先駆け、横浜みなとみらいホールは5月14日、「横浜みなとみらいホール2014年度プレス懇談会」を開催。会場には多くの報道関係者が集まり、梧桐雨公演に対する注目度の高さがうかがえた。また同会では、6月12日に横浜マリンタワーホールにて「台湾生まれの歌劇『梧桐雨』記念演奏会&レクチャー」が開催されることが発表された。一般向けに無料で開催される同会には出演者の秦貴美子さん(楊貴妃・ソプラノ)、平良交一さん(玄宗皇帝・バリトン)、山中惇史さん(ピアノ)、そして梧桐雨の作曲を担当する台北出身の国際的女性作曲家、陳玫琪(メイチー・チェン)さんが出演予定。

プレス懇談会の様子
プレス懇談会の様子

プレス懇談会には横浜みなとみらいホール館長の池辺晋一郎氏、事業企画グループ長の佐々木真二氏、台北駐日経済文化代表処の顧問兼台北文化センター長の朱文清氏、そして梧桐雨で楊貴妃役を務める秦貴美子さんが、共演者であり台湾で有名なオペラ俳優(男役)の唐美雲さんからプレゼントされたという台湾伝統のネックレスをつけて出席。秦さんは同会で「梧桐雨を日本で再演することが出来て光栄だ。今回は台湾で共演したキャストの他に新たな日本人キャストも加わるということで楽しみである。開催まで練習を重ね、より良い作品を日本の皆さんにお見せしたい」と意気込みを述べた。

唐美雲さんからプレゼントされたという台湾伝統のネックレス
唐美雲さんからプレゼントされたという台湾伝統のネックレス

更に秦さんは、台湾メディアからの中国語についての質問に対し「台北公演が決まってから数週間集中的に中国語の練習をした。中国語でオペラを歌うのはとても難しいが、今まで英語・チェコ語・ロシア語の歌を歌ってきた経験があるので、それらの言葉の子音と母音を合わせたような中国語は私にとって音を探しやすかった。歌う際は漢字1つ1つから伝わってくる楊貴妃の感情を感じつつ歌っている」と答えた。

台北駐日経済文化代表処の顧問兼台北文化センター長の朱文清氏
台北駐日経済文化代表処の顧問兼台北文化センター長の朱文清氏

また、共催する台湾文化部の代表として出席した朱氏は「アジアの交流事業として台北を選んで頂き光栄だ。今年は東京と九州で開催される台北国立故宮博物院の特別展という大きな展示会が開催されることもあり、2014年は日台文化交流の歴史的な1年であるともいえる。同展に先駆けて梧桐雨が公演されるということで重要視している」と述べた。

横浜みなとみらいホール館長の池辺晋一郎氏
横浜みなとみらいホール館長の池辺晋一郎氏

池辺館長は挨拶で「オペラは大きな舞台で、豪華な装置や美術がないとできないという概念を崩したい。コンサートホールでもオペラが出来るということを証明したい。今回の梧桐雨はこの私の2つの理念に沿ったものであったため、非常に嬉しい企画である」と語り、梧桐雨公演へ期待をよせていた。

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here