台南にもう一度「モダン」を!〜「林百貨店」がリニューアルオープン〜

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林百貨店は待望のリニューアルオープンを迎えた
林百貨店は待望のリニューアルオープンを迎えた≪写真提供:台南市政府≫

日本統治時代の1932年(昭和7年)に南台湾で初の百貨店として開業し、日本の敗戦により廃業していた“林百貨店”が6月14日、待望のリニューアルオープンを迎えた。この日は和服や昔の学生服姿の若者らが店頭前をパレード。創業者“故・林方一氏”の子孫らや台南市の市長である賴清德氏も足を運んだ。

和服や昔の学生服姿の若者らによる店頭前パレード
和服や昔の学生服姿の若者らによる店頭前パレード≪写真提供:台南市政府≫

台南の林百貨店は当時、台北の菊元百貨店や高雄の吉井百貨店と並ぶ三大百貨店の1つで“モダン”の代表であった。後に菊元百貨店と吉井百貨店が取り壊され、林百貨店だけが残ったため、台南市の市指定史跡となった。林百貨店は敗戦で廃業した後、製塩会社や軍施設として使用され、86年以降は放置されていた。これを台南市政府がこのほど、約8千万台湾ドル(約2億7千万円)を投じて復元するに至った。

賴市長は「各界の皆さんの支持や助けのもと、今日という歴史的な1日を迎える事が出来たことに心より感謝する。林百貨店が台南の新たな観光スポットとなり、台南が未来の文化的観光の聖地になる事を祈る」と述べた。

李建畿氏が寄附した林百貨店に当時使われていた棚
李建畿氏が寄附した林百貨店に当時使われていた棚≪写真提供:台南市政府≫

また、オープン前の6月11日にはメディア向けに記者会を行った。同会には賴市長、林百貨店に当時使われていた棚を寄付した李建畿氏、林百貨店を経営する高青開発創設者・楊青峰董事長、文化局・葉澤山局長、高青時尚・陳慧姝社長、郭國文市議員、中西区・黎燕玉区長などが参加。

「当時、私の両親は2人とも林百貨店で働いていた。そして自由に恋愛をし、結婚した。当時の社会風潮は解放的だったのだ。この度、両親が働いていた頃に使用していた棚を林百貨店に“里帰り”させることができ、大変うれしく思う。多くの人にこの林百貨店の歴史的風貌を見て頂きたい」(李建畿氏)

リニューアルオープンした林百貨店を観賞する賴清德市長(写真中央)≪写真提供:台南市政府≫
リニューアルオープンした林百貨店を観賞する賴清德市長(写真中央)≪写真提供:台南市政府≫

リニューアルした林百貨のビルは5階建て(一部6階)で左右対称のアールデコ様式。南部で最初に設置されたエレベーターも復元された。“台南生活”が主題となっており、各階では台南をテーマにした雑貨や、台南の特産品、農産物などを販売し、台南市の文化的魅力を発信している。他には洋風レストランや展望室などを設備。初期のモダンな雰囲気を楽しむ事が出来る。

店内の様子≪写真提供:台南市政府≫
店内の様子≪写真提供:台南市政府≫

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