横浜地区における日台重鎮3氏が一度に講演

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左から横浜企業支援財団(IDEC)の牧野孝一理事長、台北駐日経済文化代表処横浜分処の粘信士処長、日台経済文化交流協会の上村直子会長、台湾貿易センター東京事務所の呉俊澤所長
左から横浜企業支援財団(IDEC)の牧野孝一理事長、台北駐日経済文化代表処横浜分処の粘信士処長、日台経済文化交流協会の上村直子会長、台湾貿易センター東京事務所の呉俊澤所長

日台経済文化交流協会(会長:上村直子)は9月4日、横浜市開港記念館にて講演会を開催した。このほど講演したのは台北駐日経済文化代表処横浜分処の粘信士処長、台湾貿易センター東京事務所の呉俊澤所長、横浜企業支援財団(IDEC)の牧野孝一理事長の3人。会場には同会のメンバーはもちろん、日台関係や台湾の経済などに興味を示す関係者ら約80人が集まった。

約80人の聴衆が集まった
約80人の聴衆が集まった

最初に講演した粘処長は、冒頭、今年が戦後70年ということに触れ、先日安倍首相が発表した戦後70年の談話に対し日本の政治学者・北岡信一氏が作成した提言書に、中華民国初代総統・蒋介石氏の「以徳報怨(いとくほうえん=うらみに徳で向き合う)」演説について書かれていたと発言。その上で蒋氏の同演説は日本の敗戦後、天皇制度の維持、ソ連の提案した分割制度への反対、戦後260万の軍民を日本国内に返還することを提起していると説明。さらに蒋氏は日本に賠償請求をしなかったと話し、「日台の友好関係はこの時から始まった」と回顧した。

粘処長はそのほかに、近年における台湾の国際関係発展や、台湾と中国の平和的発展、日台間の地方交流についてなどを説明。日台間で結んだ覚書(MOU)については現在58個あり、そのうち25個は台湾が馬英九政権になってから結ばれたもので達成率は43%であることを発表した。

台北駐日経済文化代表処横浜分処の粘信士処長
台北駐日経済文化代表処横浜分処の粘信士処長

また、呉所長も講演でMOU締結について言及。呉所長によると、日台間では2011年に経済やビジネスのMOUが次々に締結し、様々な面での枠組みが出来たという。そのなかでも地震などの災害発生時を例に挙げ、「日台関係を見るときに1999年の台湾中部大地震と2011年の東日本大震災が一つの要素になるが、地震などの災害の際に『日台民間投資取り決め』と『日台オープンスカイ協定』が役に立つ」とした。

なお、牧野理事長は毎年開催している「国際企業人材育成センター(ITI) 横浜研修」の概要を参加者らに説明し、参加した企業関係者らに、同研修生受け入れを呼びかけた。同研修は台湾貿易センターが運営するITIがIDECを窓口として、開催しており、ITI研修生は、日本企業での実務経験を通して日本のビジネス習慣や社会習慣、企業ルール、仕事の進め方や価値観、日本文化などを習得する。同研修は今年で10周年を迎えており、今までに横浜地区の企業で研修をしたITI研修生は217人にのぼる。卒業生217人のうち、6人は実際に横浜の企業に就職し、台湾で就職した研修生も台湾に進出している日本企業などに就職。日台貿易関係のビジネスに従事している。また、牧野理事長によるとIDEC事務局メンバーは今年の10月に訪台し、実際にITIを視察する予定。

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