日台の科学技術交流に向けて

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台湾科学技術協会(理事長:李建中氏)は11月29日から12月4日の期間、台湾で「第31回台日工程技術研討会(以下:研討会)」を開催する。これにあたり、日本の科学技術関係者らは訪問団を結成し訪台する。研討会は、日本と台湾の科学技術の重鎮らが、エネルギーや環境、金属・機械、電気・通信、鉄道・港湾、原発・防災などから選定した約20組にわかれ、60個の議題で討論を行い、交流し、両国の科学技術における各分野の発展と繁栄を目指すことを目的に、現在は2年に1度台湾で開催されている恒例行事である。これまでに1100人を超える科学技術の関係者らが台湾に訪問し交流を重ねてきた。

出発前の懇親会にて。左から副団長に任命された早稲田大学名誉教授で工学博士の浅川基男氏、台北駐日経済文化代表処の沈斯淳代表、台湾科学技術協会の徳山喜政理事長、団長に任命された東京大学名誉教授の山地憲治氏、科学技術振興機構の相澤益男顧問
出発前の懇親会にて。左から副団長に任命された早稲田大学名誉教授で工学博士の浅川基男氏、台北駐日経済文化代表処の沈斯淳代表、台湾科学技術協会の徳山喜政理事長、団長に任命された東京大学名誉教授の山地憲治氏、科学技術振興機構の相澤益男顧問

このほどの研討会のメーンとなるシンポジウムのテーマは「イノベーションと持続的発展」と設定されており、科学技術振興機構の相澤益男顧問が「豊かで持続可能な未来を切り拓く科学技術・イノベーション」と題した講演を行うことになっている。

相澤顧問は11月22日に市ヶ谷アルカディアで行われた説明会及び懇親会で、「今は世界の大きな変革期である。世界の成長中心がアジアに移ろうとしているのだ。2030年にはアジアが世界のGDP(国内総生産)の50%以上を占めるとも言われている」としたうえで、「そのためには科学技術とイノベーションをアジアが全体となって進める必要がある」と講演のメーンメッセージを提示。さらに、「アジアの協力に日本と台湾の繋がりはとても大切である。日台両国で閉じるのではなく、両国で切り開いていくのだ」と、アジア発展における日台交流の重要性を強調した。

さらに同日、今年の訪問団の団長として選出された東京大学名誉教授で地球環境産業技術研究機構の研究所長も務める山地憲治教授は「私は2011年、東日本大震災でエネルギー政策が混乱した際、新政策の研究に関わってきた。台湾では、エネルギー政策や、それに密接に関連している地球温暖化政策などの点を紹介できるかと思っている。また、台湾のエネルギー事情、温暖化対策などの実態理解に努め、台湾からも多くを学んで帰国したい」と意気込みを述べた。なお、懇親会には駐日経済文化代表処の沈斯淳代表も出席しており、訪問団を激励した。訪問団は29日、台湾へ出発し、30日には馬英九総統との面会も予定されている。

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