「熊本~高雄線」再開で台湾から大応援団

0

 

地震の影響を受けて全面運休していた熊本空港の国際線定期便のうち、いち早く再開に漕ぎつけたチャイナエアライン(中華航空:台湾)で、6月10日、台湾南部の高雄、台南両市などからの訪問団が来訪し、熊本県に約1億5千万円の義援金を贈呈し、「熊本加油!(頑張れ)」のエールを送った。

定刻の12時15分より20分以上早く熊本空港に到着した応援団は、陳菊・高雄市長、頼清徳・台南市長、孫洪祥・チャイナエアライン会長、呉盈良・高雄市旅行商業同業公會理事長など、総勢約50人。空港では熊本市のシンボルキャラクターの「くまモン」から歓迎を受けたほか、謝長廷・台北駐日経済文化代表処代表(駐日大使)や県庁職員など大勢の関係者が出迎えた。

1)歓迎を受ける訪問団
くまモンをはじめ、大勢の出迎えを受けた

一行はさっそく県庁横のホテル熊本テルサの会議場に蒲島郁夫・熊本県知事を表敬訪問して、高雄市、台南市それぞれからの応援の書や寄せ書きとともに、両市を中心に集まった義援金約1億5千万円を贈った。

2)応援の書の贈呈
応援の書や寄せ書きとともに義援金が贈呈された

贈呈式が行われた会議場では、今月9日に着任したばかりの謝大使がまず口火を切り、「台湾では昨日から端午節の4連休だが、それを返上してやってきた訪問団の皆さんに敬意を表する。台湾では全ての人が熊本の一日も早い復興を願っている。熊本頑張ろう!」とあいさつ。蒲島知事は「皆様の応援をいただき、台湾と熊本の絆に感謝するとともに、改めてその深さを感じた。義援金は復興のために大切に使わせていただく」と応じた。

8)謝大使01
謝長廷・駐日大使の挨拶

高雄市の陳市長は「高雄278万市民を代表してお見舞いを申し上げる。知事をはじめ幹部職員が防災服を着て頑張っている姿に感動した。今回、熊本空港並びにチャイナエアラインの大いなる努力で熊本~高雄線が復旧再開できたことは喜びに堪えない。これからは高雄と熊本が海外に向かって合同で観光PRをしたい。また、締結3年を迎えた高雄市と熊本県の交流協定(MOU)の内容を全ての分野でレベルアップしていきたい」と述べ「熊本頑張れ!」と締めくくった。

3)陳市長挨拶
陳菊・高雄市長の挨拶

頼台南市長は、今年2月の台南地震に対して安倍総理から送られたお見舞状や調査団の派遣をはじめ、日本の各界から寄せられた励ましや義援金などへの謝意を表した上で、「まさかの友は真の友」という台湾の諺を引用し、「東日本大災害、高雄ガス爆発事故、台南地震、熊本地震などを通した日台相互の助け合いがまさに両国が真の友であることを示しており、これからも友情と交流を発展・加速させたい。また災害対応技術を今後に生かしたい」と述べた。

4)頼台南市長02
頼清徳・台南市長の挨拶

チャイナエアラインの孫会長は「2013年にプログラムチャーターとして乗り入れ、2015年10月25日から定期便として運航を開始して以来、高雄~熊本線は搭乗率70%超を維持してきた。不幸にして今度の地震の発生以来運休せざるを得なかったが、皆様の支援で6月3日から運航再開できた。これからは従前にも増して台湾南部と熊本の交流・発展を支える役割を果たしたい」と述べた。

5)チャイナエア、孫会長
孫洪祥・チャイナエアライン会長の挨拶

これらの温かい言葉を受けて、蒲島知事は「今回の震災では最大級の地震が短期間に2回起こったこと並びに1,600回以上の余震が続いていることが大きい特徴であり、これが県民に大きい恐怖心を与えたが、いま自分自身が対策本部長となって復興に全力を尽くしている。台湾の皆様には地震発生の早い段階からご支援をいただき感謝している。高雄市、台南市では、市民への募金の呼びかけにあたって、陳高雄市長、頼台南市長並びに康裕成高雄市会議長が1ヶ月相当分の給与を寄付されたと聞き、感激した。また民間の組合等からも義援金をいただき感謝している。頂いた義援金を早期復興に役立てたい。また、熊本県は2013年9月に高雄市と交流協定(MOU)を締結して、かつてない友好関係を築いてきた。今年9月にはこれが満期を迎えるが、内容を更にグレードアップして一層の友好関係発展に繋げたい」と述べた。

6)樺島知事、挨拶02
蒲島郁夫・熊本県知事の挨拶

最後に全員がこぶしを握り、日本語で「熊本頑張れ!」の声を掛けて記念写真に納まった。なお訪問団は、翌11日には熊本市の大西一史市長を表敬訪問し、熊本市にも約6,600万円の義援金を贈呈した。

9)熊本頑張れ、記念撮影
こぶしを握って「熊本頑張れ!」の掛け声を唱和した