台日蔵書票特別展、日台の深い繋がり伝える

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台日蔵書票特別展「南島風情のスタイル」が6月10日、台湾文化センターで開幕し、国立台湾文学館に寄贈されている全43点の蔵書票が展示されている。台湾文化センターの朱文清センター長によると、蔵書票をテーマにした展示会が同文学館で開催された際、蔵書票には日台の歴史的な深い繋がりがある事を知り、日台文化交流の一環として同展を日本で紹介すべきだと考え、同展開催に至ったという。

関係者らで記念撮影

蔵書票とは、本の見返し部分に貼って、その本の持ち主を明らかにするための小紙片であり、版画技法で制作される美術品でもある。もともと台湾では蔵書票文化が盛んではなかったが、日本統治時代に、日本の小説家である西川満が台湾で創刊した自身の雑誌で蔵書票をのせるなどし、台湾の蔵書票文化を切り開いていった。この頃から日本と台湾は文学や美術においての交流があり、西川満は近代の日台文芸において重要な人物ともいえる。

西川満所有の作品の展示

なお、西川満の所有していた作品は歴史的に価値が高い蔵書票と言われており、同展では6点の展示が叶っている。そのほか、台湾の風景シリーズや歴史民俗シリーズなど、台湾の歴史的背景や、普段の生活が映し出された蔵書票が展示されており、朱センター長は「台湾で生活している人ならこれを見れば、生活の風景が浮かんでくるであろう」と語った。

開催初日には同所で開会式が行われ、朱センター長、台北駐日経済文化代表処の郭仲煕副代表、国立台湾文学館の廖振富館長、日本書票協会の内田市五郎会長、さらに版画家としても有名な台湾書票協会の潘元石会長らが出席した。

国立台湾文学館の廖振富館長による像書票の歴史についての説明

廖館長は、「日本と台湾の文化が密接な関係にある中、このように同館に寄贈されている作品を日本で正式に展示する事ができて嬉しく思う」とし、「日台の芸術においての交流をさらに発展させ、お互いを知ってもらう事が同展の一番の目的である」と話した。

版画家でもある潘元石会長、日本語で挨拶

なお、同展は9月4日まで開催している。

台湾の歴史や民族を感じる蔵書票が43点展示されている

(2017/6/12)