字幕の出るメガネをかけて観劇を楽しんだ陳総領事一家

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字幕の出るメガネ(スマートグラス)を着けて舞台を楽しむ

夏休み最後の日曜日となった8月25日、陳忠正・駐福岡台湾総領事(台北駐福岡経済文化辦事處處長)一家四人がキャナルシティ劇場を訪れ、上演中のディズニーミュージカル「ライオンキング」を観賞した。

これには家族そろってのお楽しみという意味もあったが、字幕の出るメガネ(スマートグラス)を体験する目的も含まれていた。

外国映画は、声だけをその国の言葉に吹き替えたり、翻訳したセリフの字幕を画面の横か下に表示することで楽しむことができるが、舞台ではそれが出来ない。しかし、日本に来る外国人が昨年3,000万人を超え、オリンピックが開催される2020年の訪日外国人を4,000万人にする目標を掲げているいま、日本の舞台を楽しんでもらい、外国の人にもっと日本の文化や芸術を知って欲しいと考える人は多い。

それに挑戦・実用化しているのが現在福岡で「ライオンキング」を上演中の劇団四季だ。同社はエプソン販売株式会社、株式会社イヤホンガイド、エヴィクサー株式会社と提携して「暗号化したデータを埋め込んだ特殊な音」をキャッチしてスマートグラスにセリフを表示することに成功した。対応言語は、「英語」「中国語(繁体字・簡体字)」「韓国語」「日本語」で、このサービス導入により、観客は舞台から目を離さず、ハンズフリーで観劇に熱中することができる。

家族そろっての観劇

観劇後、みんなの口から真っ先に出てきた言葉は「素晴らしい!」の一言で、舞台装置、音楽、衣装、演出、化粧、演技など、全体的にも個々にも、最高の感動を受けたというものだが、もしスマートグラスがなかったら、感動の何分の1かは減っていただろうと言う。外国人にとっては、日本語自体が難しい上に、スピーディな演技の展開や、日常会話と違う言い回しが出て来た時には、意味が掴めないし、そのセリフが以降のストーリー展開上重要なものである場合にはお手上げになってしまう。もしそれが自国の言葉でリアルタイムに入って来れば、楽しさや感動が何倍にもなるというのだ。

また映画はどうしてもスクリーン上のものであって、観客と画面の間に隔たりがあるが、舞台は観客と一体である。今回も象などの大型動物に扮した出演者が舞台に登場するような演出には、映画にはない迫力を感じるものであり、そこのセリフがすべてリアルタイムに理解できたことがとても良かったという。

この興奮と感動をぜひ日本にいる台湾人や台湾からの観光客に伝えるとともに、観劇を今後の九州観光の目玉にしてもらえるように働きかけたい。短期間の滞在の中で、実際に遠方に足を運ぶ観光と、比較的短時間で日本の最高レベルの演劇に触れることを立体的に組み合わせることを考えたい、と話が弾んだ。

感動を胸に劇場前で記念撮影

「ライオンキング」は2020年1月13日まで福岡で上演される。外国人の理解を助けるだけでなく、日本人でも聴覚に自信のない人には日本語のセリフが見えるスマートグラスが大いに役立つだろう。

劇団四季では、現在「ライオンキング」福岡公演・東京公演、「リトルマーメイド」札幌公演・大阪公演で多言語字幕サービスを行っている。(有料・要予約。繁体字ページは https://www.shiki.jp/zh-tw/ 参照)