台湾がソロモン諸島と国交断絶~

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台湾がソロモン諸島と国交断絶(写真提供:自由時報)

台湾外交部は9月16日夜、太平洋の島国ソロモン諸島との外交関係断絶を発表した。これにより台湾と外交関係を結ぶ現在の国家は16カ国になった。ソロモンのソガバレ首相は、同日開いた内閣会議で中国と国交を樹立し、台湾と外交関係を断絶した。これに対し台湾はソロモンと即日断交し、外交部の呉部長は「極めて遺憾であり強く非難する」と述べた。

台湾は1983年にソロモン諸島と国交を樹立している。ソロモンは台湾が外交関係を有する太平洋の国のうち、面積(2万8450平方キロメートル)、人口(約60万人)ともに最大だった。残る太平洋の国交国はキリバス、マーシャル諸島、ナウル、パラオ、ツバルの5カ国。2016年5月の就任以来、蔡英文総統の政権下で台湾と断交した国は6カ国目となった。

なお、呉部長は同日、断交の政治的責任を取る意向を蔡英文総統に表明したが、これについて総統府の張惇涵報道官は同日「外交部の第一線の職員は最大限尽力した」とし、「辞職の問題はない」とした。

ソロモンのソガバレ首相(写真提供:自由時報、歐新社)

蔡英文総統が中国を「最も厳正に非難」

太平洋の島国ソロモン諸島との断交を受け、蔡英文総統は9月16日夜、総統府(台北市)で声明を発表し、中国との国交樹立を決めたソロモン政府に対し「強い遺憾と非難」を表明した。さらに、金銭や政治的圧力によって繰り返し台湾の国際空間を押しつぶそうとする中国に対しては「最も厳正に非難する」と語気を強めた。また、中国の介入や圧力を前に「台湾は決して脅しに乗らない」と強調。「中国の金銭外交とは張り合わない」とし、台湾がソロモンに提供した医療や農業、教育、文化などの分野における援助は「金銭で計れるものではない」と述べた。

台湾と外交関係を持つ国の切り崩しなどによって台湾に「一国二制度」の受け入れを迫る中国に対し、「一国二制度を受け入れない事は台湾の最大の共通認識」だと主張。「中国のいじめを前に台湾は勇敢になり、団結し、国際社会に出ていかなければならない」と強調した。