マスクの自販機設置で利便性向上狙う

0
マスクの自販機設置(写真提供:中央社)

 台湾台北市信義区でこのほど、マスクの自動販売機による販売の稼働が始まった。柯文哲台北市長は、4月20日の週にも市内全区に設置する方針を示した。現在、台湾内で指摘されている問題点の改善を図り、販売拠点を増やす事で利便性の向上を目指す。

 台湾では現在、マスクの需要の拡大とともに、購入にあたっては実名制を採用している。これはひとり当たりの購入数を制限し、購入データを国民健康保険証で管理している政策の一環によるものだ。

 販売機では保険証を差し込む事も可能で、電子マネーやスマホ決済にも対応している。これまでは、薬局の前にはマスクを買い求める人々の行列が多々発生していたが、販売機の導入で解消が期待される。

 しかし、稼働初日の4月12日、信義区の健康サービスセンター内に設置された3台の前には朝から行列ができた。操作に戸惑う人も多く、販売機には操作案内スタッフが配置されており、「自動販売機の意味がない」とのネットからの指摘も。

 視察に訪れた柯市長は4月13日、まるで「電子マネーの使い方教室」と皮肉まじりに苦笑し、販売機の設置場所を変え、動線を調整して販売機のシステムをより分かりやすく改善する姿勢を示した。また、同センター内の販売機では子供用のマスクも売られているが、大人用の売り上げが多くを占めているという。これを受け、今後は大人用のものに限定する構え。選択の手間をなくす事でひとり当たりの購入に要する時間を短縮させる考えも示した。