台湾産パイナップルが前年同期比5倍の流通量に

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台湾パイナップル

 台湾産のパイナップルが日本市場で好評だ。今年3月に中国向けの輸出が急きょ禁止された台湾産パイナップル。その流通の手助けを快く引き受けた日本。日台の絆はもとより、「甘く美味しい台湾産パイナップル」が、今では日本人にすっかり受け入れられている格好となっている。

 現在、日本で流通しているパイナップルのほとんどが輸入による。その全量は2020年通期の実績ベースで約157,000トン。その97%がフィリピン産で、年間を通じて輸入されている。台湾産の流通は初夏までに限られるが、貿易統計では2021年3月の単月ベースで1,130トンが輸入され、対前年同期比で約3倍増加した。また、台湾貿易センター東京事務所(東京・千代田区)によると、今年の1月から4月までの期間に前年同期比5倍に当たる約7,300トンが台湾より輸入された、という。2021年通期の輸入量は約14,800トンを予定。なお、2020年通期の輸入量は45,621トンだった。

今ではスーパーや小売店で台湾産パイナップルの販売が急増している。東京市場の5月時点での台湾産パイナップルの卸売価格はキロ258円。フィリピン産と比べ4割高いが、美味しさや芯まで食べられる訴求力が日本市場に受け入れられたものとみられる。販売側としては拡販に力を入れている模様だ。

また、外食産業大手の「すかいらーくHD」や「ジョナサン」も今年から台湾産パイナップルのメニューを開始している。