日本初のオンライン「華語文能力試験」を福岡で実施

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オンライン形式では日本で初めてとなる「華語文能力試験(TOCFL=Test of Chinese as a Foreign Language)」が7月18日、福岡市で実施され、台湾でのビジネスや留学を目指す人など14名が受験した。

主催は台湾の「国家華語測験推動工作委員会」で、実施は台北駐福岡経済文化弁事処(福岡総領事館:陳忠正総領事)が担当した。

TOCFLは台湾の大学・研究機関への留学を目指す学生などを対象に世界各地で約15年前から実施されており、日本では10年前から東京、横浜、大阪の3都市で行われてきた。成績は、得点が低い方から高い方にA1、A2、B1、B2、C1、C2と6つのランクに分けられ、留学生の受入れに際しては、私立大学はB2以上、国立大学はC1以上などの目安があるという。また、外国人の公的機関への就職にもこのランクが参考にされるという。

福岡会場の指揮をとった馮氏(左)と王氏(右)

今回福岡会場の指揮をとった福岡弁事処の王鴻鳴課長と横浜中華学院秘書長の馮彦國氏(横浜中華学校・前校長)は「従来日本で行われてきたTOCFLは、いずれもペーパーテストであり、オンライン形式のものは福岡が初めてである。コンピュータを使った試験(CAT=Computerized Adaptive Test)の導入によって、ペーパー時代には出来なかった『試験結果を即時に表示する機能』が付け加わるとともに『能力判定の精度』が高まった。福岡をテストケースとして、今後、沖縄、札幌、仙台、広島、長崎など、地方中核都市へ広げていく道筋をつけたい。そうすることで、更に多くの人に華語に親しんでもらい、台湾の歴史や文化を知るキッカケにもつながれば嬉しい」と述べた。

また、試験を終えた受験者からは「試験の中身は難しかったけれども、ゲーム感覚でやれたところもあり、それほど緊張しなかった。オンライン方式も新鮮で良いと思う」という声も聞かれた。

ただ、CAT方式には、受験者側のコンピュータ操作の慣れに加えて、パソコン機器やWiFiなどハード面の整備、フリージングなどの不具合が発生した時の対応要員の確保など、乗り越えなければならない課題も多いと指摘するむきもある。