高雄産農産物のブランド化、加工品開発で日本市場に期待~さらなる開発も

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台湾パイナップル加工品

 台湾パイナップルは良品質で糖度も高く、芯まで食べる事ができる特徴を持つ。台湾をはじめ、諸外国からの消費者に愛されており、高雄で生産された「台農17号」と呼ばれる金鑽パイナップルは、今や台湾パイナップルの代名詞ともなっている。

 その主力農産物である高雄市政府管理の下で育った高雄パイナップルが、日本市場に向け、今年4月末より千葉県のスーパーアマーケットに輸出が開始された。県内にある多数の主要なスーパーマーケットで販売され、現在、販売が好評だ。さらに試食イベントも6月4日と5日に行われた。パイナップルに加え「ライチ」も試食品にラインアップ。パイナップルもライチも今年最後の収穫期だったため、多くの来場者が詰めかけ好評を得ていた。

 高雄の農産物は、「高雄第一」をブランド名として、2013年より大規模食品展示会の「FOODEX JAPAN」に出展、参加している。高雄市政府は、台湾南部の県市と共同で農産物をPRしており、長期的視野で日本との貿易関係を構築している。高雄パイナップル、ライチ、アンスリウム等の本格的な日本市場への参入を目指す事がその理由だ。

 高雄の金鑽パイナップルは、繊細な果肉の食感と香りが豊かな風味を持っており、日本人にも愛されている。また、今回同時にスーパーに並んだ「玉荷ライチ」の収穫時期は1年の中のわずか2週間。この短い期間でしか収穫できないライチは甘酸っぱく、もちもちの食感が味わう事ができるという。

スーパーで販売中台湾パイナップル

 そして、今回目玉商品として、台湾で新発売されたのが「鳳荔雙心酥(パイナップルライチ味のパイナップルケーキ)」パイナップル味として知られるパイナップルケーキ。これは金鑽パイナップルと玉荷包ライチを融合して同時に二種類の果肉を味わう事ができる「パイナップルケーキ」という加工品。高雄の農産物の知名度を高めようとの試みで開発したという。

 台湾の農業委員会の統計によると、今年に入ってから現在まで日本に輸出されたパイナップルの量は一万6000tを超えたという。昨年同期比で海外への輸出が4割近く増加したが、なかでも高雄で生産された金鑽パイナップルの割合が最多だった。また、高雄の玉荷包ライチも5月末より本格的な輸出が開始され、輸出量も100トンに達する見込みという。今年は特に「玉荷包ライチ」の継続的な人気に期待を寄せている。

 パイナップルとライチの日本での販売は、検疫、保管、輸送、出荷の遅延を考慮した現地物流などを経て、収穫後10〜14日で日本の販売店に並ぶ。高雄市では、輸出の際、果物のコールドチェーン及び保管、輸送技術において、厳密なテストを受けており、高品質の果物のみを提供するほか、作業プロセスを最適化し、コールドチェーン機器を最新のものにアップグレードさせているという。これにより、収穫の成熟度、予冷及び作業プロセス環境の温度と湿度制御を把握し、高品質な状態を維持させ、可能な限り長期保存できるようにしているという。

台湾パイナップル

 高雄市政府農業局長の張清栄氏は「近年コロナの影響で台湾からFOODEX JAPANへの参加はしていませんが、各果物それぞれの最高の味が味わえる旬の生産時期を把握し、日本のマーケットを積極的に開拓するためにも、農家がコールドチェーンや処理機器設備をアップグレードできるよう全面的に協力を行う予定」との意向を述べた。   

 また、高雄パイナップルとライチの今年最後の収穫に合わせ「日本の大手スーパーマーケットでの試食イベント開催も決まりました。今回のイベントが直接的な利潤をもたらし、今後の日本市場シェアを高められる事に期待しています」と話した。