次期総統選、鴻海創業者が国民党指名獲得目指す

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鴻海創業者・郭台銘氏は国民党候補の指名獲得を目指すと発表(写真:中央社)

3月末から米国を訪問していた鴻海精密工業創業者郭台銘氏が4月5日、帰国した。桃園国際空港に近いホテルで行った記者会見において、来年1月の次期総統選に触れ、最大野党国民党候補の指名獲得を目指すと宣言した。

郭氏の鴻海科技集団は世界最大手のEMS企業で、2016年に日本の電機メーカーシャープを買収。

同氏は2000年の総統選でも国民党の指名獲得のため、党内予備選に出馬したが、高雄市長だった韓国瑜氏に敗れ党を離れた。その後、台湾メディアの取材に応じて「(自分が)国民党の腐敗文化を一掃することができなかった」と国民党を力強く批判した。

4年前の脱党について謝罪した郭氏(写真:中央社)

郭氏は記者会見で4年前に脱党したことをお辞儀して謝罪し「台湾には素晴らしいCEOが必要だ」として支持を訴えた。

なお国民党は郭氏の発言について「わが党は引き続き、市民に団結を呼びかけ、台湾の安全と繁栄を支え、地域の平和を守り、台湾のため戦争なき未来を作り出す」とコメントした。

未だに次期総統選の候補が決まらない国民党。朱立倫党主席は3月に、今回は予備選の代わりに「徴召(強制指名)」方式で候補者を決めると発表。選定の過程では、侯友宜新北市長、韓国瑜前高雄市長ら各有力候補を対象とする世論調査を行う方針。

2024年1月13日に投開票を控える次期総統選。与党民進党の党内予備選には、党首を兼務する頼清徳副総統だけが出馬したため、4月12日に党候補に正式指名する予定。