【東京訊】台北駐日経済文化代表処(李逸洋代表=大使に相当)の台湾文化センター(曾鈐龍センター長)が主催する「NEW VISIONS―ひらけ、台湾漫画の窓」が8月18日、ジュンク堂書店池袋本店で開幕した。イベントはmagmabooks虎ノ門ヒルズ店と東京堂書店神田神保町店でも同時開催され、三会場で台湾漫画35作品が紹介されている。




各書店の空間や特色を生かし、読者層に合わせた作品を選定しており、作品、試し読みガイドブック、限定ブックカバーなどを展示し、台湾漫画を日本の読者の日常的な本選びや読書生活に届ける事を目指している。


開幕式には、台湾と日本からの漫画、出版、書店業界の関係者が多数出席した。日本国際漫画賞審査委員長で日本漫画家協会理事長の里中満智子氏、手塚プロダクション代表取締役社長の松谷孝征氏をはじめ、協力書店3社の代表者、講談社や白泉社など日本の出版社12社の関係者も参加した。

近年、台湾と日本の漫画界で高い評価を受ける台湾出身の漫画家高妍氏のほか、第19回日本国際漫画賞で銀賞を受賞し、本展のメインビジュアルを手がけた漫画家・南南日氏も出席。日本の漫画、出版、書店業界における台湾漫画への関心の高さをうかがわせた。

曾鈐龍センター長は開幕式で「台湾文化センターは近年、日本で台湾漫画の紹介を続けております。今回は台湾漫画を書店の中へ届け、展覧会で作品を紹介するだけでなく、日本の読者の日常的な読書生活に溶け込むことを目指した」と説明した。また「今回は日本の書店文化を象徴する紙のブックカバーに着目し、メインビジュアルを使用したイベント限定ブックカバーを制作しました。日本の読書習慣に寄り添った形で台湾漫画を発信し、台湾と日本に共通する漫画文化を通して両国の交流をさらに深めたい」と期待した。

李逸洋大使も、自ら本展のPRに参加し「台湾と日本が共に親しむ漫画という文化の言葉を通じて、より多くの日本の人々に台湾を知ってもらいたい」と呼びかけた。
台湾文化部の李遠部長は、今回制作された限定ブックカバーに強い印象を受け「これまでにない試み」と評価。海外市場や現地文化に寄り添った取り組みを増やすことで、台湾漫画がより多くの海外読者に届き、出版、ライセンス、異業種連携などの新たな可能性につながることに期待を寄せた。

一方、本展のメインビジュアルについて南南日氏は、台湾の古い家屋でよく見られる装飾格子「鉄窓花」を中心的なモチーフにしたと説明した。本や植物、人物、猫を窓枠の中につなぎ合わせ、物語が本のページから飛び出してくるような世界を表現するとともに、開放的で多様性に富み、既存の枠にとらわれない台湾社会の精神を反映したという。

さらに南南日氏は「鉄窓花は多くの台湾人にとって身近な生活風景。異なる物語を象徴する一つひとつの窓を通じて、来場者に出展作品からさまざまな台湾の姿を見てほしい」と語った。
日本の漫画界からも注目を集める高妍氏の作品『緑の歌―収集群風―』と『隙間』は、日本の漫画ランキング『このマンガがすごい!』にそれぞれ選出され、『隙間』は今年、権威ある手塚治虫文化賞のマンガ大賞にもノミネートされた。
高妍氏は「台湾には多様な言語、文化、歴史、記憶があり、そこから自由で多彩な漫画表現が生まれている」と説明。「書店で偶然手に取った一冊の台湾漫画との出会いから、多くの読者に台湾を知る窓を開いてもらいたい」と期待した。

なお本展では、歴史、社会問題、旅行、恋愛、ジェンダー、ファンタジーなど、幅広いテーマを扱った台湾漫画35作品を選定している。
ジュンク堂書店池袋本店では15作品を通じて、台湾漫画の多様な視点と自由な創作表現を紹介。
magmabooks虎ノ門ヒルズ店では、暮らしや感情、女性の成長などをテーマとした10作品を展示する。
東京堂書店神田神保町店では、歴史、社会、文化的背景、芸術表現などの視点から台湾を描いた10作品を紹介している。
各会場ともに出展作品の試し読みができるガイドブックも無料配布しており、一般読者が台湾漫画を知るきっかけとしてだけに止まらず、日本の出版社が新たな台湾作品を発掘するための参考資料としても活用できる。
2026.08.19
















































