国有文化級の蝋人形の達人 林健成さん

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―新竹県の芸術顧問に―
 蝋人形製作で国有文化財級の芸術家の林健成さん。これまでの数々の作品が高い評価を受け、このほど新竹県政府より県の芸術顧問として迎えられた。新竹県の文化レベル向上のために選ばれたと見られ、林さんの作品を見た人は同様に「生き生きとしたまるで本物の人間の様」と評価されている。
 2011年に革命軍の将軍・張学良氏(2001年に100歳で死去)と夫人の趙一荻さんの蝋人形を作り、五峰郷にある張学良将軍の故居に展示した。その作品は張学良将軍の生誕110回目を記念して一般公開されて以来、その蝋人形を見た人々は林さんの作品に感服。芸術顧問になったきっかけでもある。
 現在、林さんの事務所にはエバー航空(海運)グループ会長の張栄發氏の半身の蝋人形や水墨画で有名な書画家故張大千氏の手を握り作業中の姿を描写した人物像、そして、歌手の故テレサ・テンさんの蝋人形がそれぞれ展示されている。訪れる人は皆その作品に感銘を受けているという。
 林さんは国立芸術専美工科卒(現国立台湾芸術大学)、楊英風氏の元で技術を学んだ。若い頃には全国十代青年賞の受賞歴もある。作品は主に蝋人形で、中正記念堂の中に飾られているテーブル前に鎮座する蒋介石の蝋人形は林さんの作品である。また、台東の史前博物館と高知県の坂本龍馬記念館など過去に何度も国内外の大型芸術作品制作を手伝うなど、様々な博物館との交流を持つ。様々な要求や試練に対応するたびに新材料の開発や技術の向上に結びつけている。それが蝋人形製作の技術研究にも役立っている。
 このほか過去に国内外の多くの博物館に蝋人形と彫刻を製作し展示されている。国立自然科学博物館の原住民の蝋人形、世界宗教博物館に展示されている世界十代宗教建築の模型、そして緑島内の人権区で当時の政治犯の獄中生活…などの蝋人形は、丹精込めて作った林さんの代表作でもある。その生き生きとした作品を見て感銘しない人はいないだろう。