待望の日本台湾教育センター、法政大学内に開設される

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法政大学と日本台湾教育センター関係者の会談

日本の文部科学省に当たる台湾教育部は、日本と台湾の大学を中心に、高校、大学院を含めた学術交流の促進及び両国の教育の発展を図ることを目的とした、「日本台湾教育センター」を11月21日、法政大学内に設立し、その開所式を実施した。

中心的な役割を担ったのは、台湾の名門私立総合大学である淡江大学(新北市)である。同大学は、文、理、工、外国語文、国際研究、グローバル企業発展など8学部からなり、淡水キャンパス(高等教育)、台北キャンパス(技術教育)、蘭陽キャンパス(英語教育)、サイバーキャンパス(デジタル教育)など4つのキャンパスを持つ。学生数は27491人。

淡江大学は2008年に法政大学との間で学術交流(姉妹校)をスタートさせていたが、台湾教育部(財団法人高等教育国際合作基金会)の方針を受けて、日本台湾教育センター(本部:淡江大学)の日本での事務局開設を準備するに際し、2012年、交流の実績、大学教育の内容、立地条件などから同大をパートナーとして選んだ。

「淡江大学から、(日本台湾教育センターを)法政大学の中に作れないかという話をいただいて、この7月に暫定的に事務所を作り、10月1日に現在の富士見坂校舎1階に開設しました。今日は、正式な開所式式典ということになります」(法政大学関係者)

午後4時10分からの開所式に先立ち、3時からボアソードタワー26階において、法政大学増田壽男総長及び同大学関係者と台湾からの開所式出席者との会談が行われた。台湾側出席者は、淡江大学戴萬欽副学長、財団法人高等教育国際合作基金会陳恵美氏、台湾大学・中原大学・文藻外語学院大学・国立雲林科技大学・国立虎尾科技大学の各国際交流センター等の所属職員など。当初の予定では、財団法人高等教育国際合作基金会理事長兼淡江大学学長の張家宜氏が出席の予定だったが、健康上の理由で欠席となった。

増田壽男法政大学総長(左)と淡江大学戴萬欽副学長(右)

席上、増田総長は「台湾トップレベルの淡江大学と長い歴史がある法政大学が協力することには大きな意義があると思います。皆様のご来訪を大変嬉しく思いますし、日本台湾教育センターのこれからの活動が活発に行われることで、台湾と日本の友好関係がより強化されていくことと思います」と述べた。

これを受けて淡江大学戴萬欽副学長は、2008年の法政大学との姉妹校関係の協定に感謝しつつ、「淡江大学の日本語学科で1600人の学生が学んでいます」と述べた。また、財団法人高等教育国際合作基金会陳恵美氏や淡江大学以外の5校の大学の出席者を紹介した。

開所式の会場
来賓の皆さん

 午後4時10分、日本台湾教育センターで開所式が行われた。来賓など数十名が参加した。冒頭、司会の呼びかけで財団法人高等教育国際合作基金会陳恵美氏、淡江大学戴萬欽副学長、法政大学増田壽男総長、台北駐日経済文化代表処羅坤燦副代表、日本私立大学協会小出秀文事務局長が登壇した。再び司会の言葉でカーテンが曳かれると日本台湾教育センターが姿を現した。その後、挨拶に立った財団法人高等教育国際合作基金会陳恵美氏は「日本台湾教育センターが日本と台湾の橋渡し、架け橋になることをお祈りします。また台湾教育センターの設置に当たり法政大学様のご協力、本当にありがとうございました。今後、国際交流が一層強くなることを願っております」と述べた。

 懇親会は、午後4時40分頃からボアソードタワー26階で開催された。

挨拶に立陳恵美氏

祝辞は、財団法人高等教育国際合作基金会陳恵美氏、淡江大学戴萬欽副学長、台北駐日経済文化代表処羅坤燦副代表、日本私立大学協会小出秀文事務局長、早稲田大学尾崎肇名誉教授の順だった。この中で、羅坤燦副代表は、日本台湾教育センターの開所式が法政大学で盛大に執り行われたことに感謝の言葉を述べながら、「台湾政府の教育方針として諸外国から台湾に留学している学生数は現在、4万5000人、5年後には5万人、10年後には15万人を目標にしています」と述べた上で、台湾には大学院生などを対象とした奨学金制度があるのでぜひ学生に伝えて欲しいと言葉を足した。

乾杯の音頭は、台北駐日経済文化代表処羅坤燦副代表が取った。懇親会は午後6時過ぎまで続いた。