楽しみが沢山 新竹、魅力満点の旅

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「2013台湾ランタンフェスティバル」が開催された新竹は、台湾北部に位置し、台北から台湾高速鉄路(高鉄)でわずか30分の距離にある。ハイテク産業が盛んで、ビーフンや貢丸と呼ばれる肉団子、東方美人茶の特産品もある。また独特な客家文化が色濃く残り、山間部では雪覇国立公園が広がるなど、変化に富んだ地域であり、観光に最適な場所である。

 

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日本統治時代に建設された新竹駅舎

 

中でも「万博台湾館」は上海万博で好評を博した台湾パビリオンで、2013年2月にプレオープンしたばかり。天灯をモチーフにした外観は、夜には美しい光を放ち、訪れる人を魅了する。また、建物4階部分に設けられた球体の内部は720度全てがスクリーンとなっており、原住民の生活や阿里山、タロコ渓谷、緑島などの大自然、台北の都市風景などを大迫力の美しい映像で楽しむことができる。また、台湾館の下層階ではお茶やガラス、陶器など新竹の特産品の販売店が並び、新竹文化に触れることもできる。

 

上海万博の台湾パビリオン「台湾館」
上海万博の台湾パビリオン「台湾館」
万博台湾館では大迫力の720度の映像が楽しめる
万博台湾館では大迫力の720度の映像が楽しめる

 

また、新竹県の中部にある横山郷「内湾村」はかつて鉱業や林業で栄えた集落。山の中をゆっくりと走るローカル線の終点である内湾駅周辺にはノスタルジックな風景が広がる。食べ物や雑貨を売る屋台や商店が並び、散策するだけでも楽しい。客家料理が食べられる「大嬸婆私房菜」は2012年に、観光局が主催したレストランコンテストでトップ10に選ばれた名店。懐かしい時代を思わせる内装に、地元出身の漫画家、劉興欽氏のイラストが飾られており、ぬくもりを感じることができるオススメのレストランである。駅の裏手には日本統治時代から残る「内湾派出所」もあり、訪れる人を優しく迎えてくれる。

 

内湾駅に到着した列車
内湾駅に到着した列車
プリプリの地鶏は是非味わってみたい一品
プリプリの地鶏は是非味わってみたい一品
内湾には屋台が沢山。客家や原住民のグルメも楽しめる
内湾には屋台が沢山。客家や原住民のグルメも楽しめる
内湾派出所では現在でも日本統治時代の建物が現役で活躍している
内湾派出所では現在でも日本統治時代の建物が現役で活躍している

 

関西鎮にある「台紅茶文物館」では、日本統治時代に創業した台湾紅茶の歴史を振り返ることができる。関西の紅茶は高品質で知られ、ヨーロッパやアメリカ、アフリカにも輸出していたという。倉庫やかつて使用されていた道具など、貴重な資料が展示されている。また、竹北市のレストラン「風城の月」では、50年前の都市にタイムスリップしたようなレトロな空間で食事ができる。

板張りの床が印象的な茶葉の倉庫。貴重な文化遺産だ
板張りの床が印象的な茶葉の倉庫。貴重な文化遺産だ
日本統治時代のポスター。当時の台湾紅茶は世界中に輸出されていた
日本統治時代のポスター。当時の台湾紅茶は世界中に輸出されていた

 

そのほか、台湾原住民のタイヤル族が多く住む五峰郷には、日本統治時代に井上温泉と呼ばれた清泉温泉があり、不妊症、皮膚病、胃腸炎に効能があるという。また、張作霖の長男として知られる張学良が幽閉されていた日本統治時代の家屋が復元されており、往年の雰囲気をしのばせる。このほか、台湾人女流作家である故三毛氏が居住した家屋を利用した喫茶店もあり、雄大な自然の中で、歴史や文学に触れることができる。また、「影原餐坊」では、五峰の自然に育まれた新鮮な食材をふんだんに利用した原住民料理を楽しむことができる。

張作霖の長男、張学良の住居。日本統治時代の家屋を復元したもの
張作霖の長男、張学良の住居。日本統治時代の家屋を復元したもの
清流とつり橋。のどかな光景が広がる五峰
清流とつり橋。のどかな光景が広がる五峰
タイヤル族が多く住む新竹山間部では原住民料理も楽しめる
タイヤル族が多く住む新竹山間部では原住民料理も楽しめる

 

新竹は、特色のある歴史や文化が豊富な地域であり、どこか懐かしさを感じられる場所でもある。「温故知新」という言葉がぴったりの新竹を是非訪れてもらいたい。