吉本興業が台湾で海外インターンシップ実施

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よしもとクリエイティブ・エージェンシーは3月30日、台北市の世界貿易センター二館でファッションイベント「 SUPER GiRLS FESTA 最強美少女盛典」を開催。同時に日本の大学生を対象とした海外インターンシップを行なった。言葉や文化が異なる地域での体験を通じて、国際的視野を持つ人材の育成を目指す、その舞台裏を探った。

 

参加した日本からの大学生
参加した日本からの大学生

 

今回の海外インターンシップは、経済産業省がグローバルな人材を育成するために進める「スクリュープロジェクト」事業の一環として行なわれたもの。初のケースとなる今回は吉本興業が台湾で開催したイベント会場で、台湾辻利茶屋の協力のもと、東京の大学に通う学生ら17人が企画した商品を自らの手で販売した。学生らは会場で、3グループに分かれ、それぞれが創意工夫をこらした商品を販売した。売り上げトップになったグループの商品は、31日から統一阪急百貨店の辻利茶屋で新商品として実際に販売された。

 

3グループに分かれ、それぞれが考案した新商品を販売
3グループに分かれ、それぞれが考案した新商品を販売

 

海外でのインターンシップを行なうことについて、吉本興業三上公一さんは「初めて訪れる台湾で、言葉も通じない所で日本の魅力をどう発信するか」と、一つの目標に向けて学生が努力するきっかけになると話す。二ヶ月にも及んだ準備期間には、辻利茶屋が提供するソフトクリームをベースに、和テイストのトッピングや看板、衣装など、日本らしさを演出し、お客を呼び込むためにはどうするか、試行錯誤を重ねてきた。

経済産業省サービス政策課吉田麻須弥さんは「以前のインターンシップでは自分でリスクを背負ったり、現場ではどんなシビアな環境で働いているのか実感しづらい。実際に自分達で考えて、どの様な物が売れるのか、実際の現場でどの様な反応が返ってくるのか、一種の『循環』が体験できれば良いと考えている」。また、「(企業の多くは)これからの人材の育成が一種の課題だと感じている」、「次世代のサービス業を担い、かつグローバルな人材が必要だと認識している」とし、新しいインターンシップ制度に協賛する企業もあると言う。

 

お客が並び、賑やかになるブース
お客が並び、賑やかになるブース

 

参加した男子大学生は「死にそうなくらいにテンパってます(余裕がなくなっている)」とおどけながらも、「どんどん商品が具体化すると楽しさと、(責任の)苦しさの両方を感じるようなった。でも、今は楽しさの方が上です」と、100個完売させると言うノルマにプレッシャーを感じながらも、自分の商品が販売までこぎ着けたことの喜びを語った。また、きゃりーぱみゅぱみゅのスタイルを意識して、女装してお客を呼び込んでいた男子学生は「簡単な中国語で声をかけて、お客さんが反応してくれたら、『日本から来た留学生』ですと言って、興味を持ってもらうようにしています」と話し、お客を呼び込む作戦を語ってくれた。

 

慣れない手つきながらも心を込めてトッピングを乗せる
慣れない手つきながらも心を込めてトッピングを乗せる

 

実際にソフトクリームを購入した台湾人女性は「トッピングが沢山あるものを選んだ。日本人学生の一生懸命さが伝わってきた。面白い企画だと思う」と語った。経産省の小林真也さんは「サービス業の魅力を伝えるためには、学生に一緒に働いてもらい、奥深さやポテンシャルを伝える良い機会」、「明確には決まっていないが、企業にお話をし、夏にもやりたいと思っている」と話し、今後も継続して実施したい考えを明らかにした。