日本橋三越で台湾デザインを発信

0
三越で台北のデザインプロダクトの展示。12日まで。
三越で台北のデザインプロダクトの展示。12日まで。

台北市文化局と台北市文化基金会は7月6日から7月12日まで、日本橋三越本館1階にて台湾デザイナー18ブランドのプロダクト展示を行っている。これは、7月6日より7月8日まで行われた第7回東京デザイン製品展への出展に合わせたもの。三越での展示は、企業やバイヤーだけでなく、一般の日本人消費者に、より台湾デザインを感じ、理解を深めてもらう事が目的。

三越バックコーナーの一角に設置された展示ブースでは、台湾最新プロダクトの展示のみならず、日本のデザイン会社であるMakers’Baseと連携して行われた「夏にぴったりのトートバック」コンテストで600のデザインの中から上位20位に選ばれた日本と台湾のデザイントートバックの企画も行われている。

自分好みのトートバックが作れる
自分好みのトートバックが作れる日台合同企画

同企画は、上位20位のデザインの中から好きなデザインと、倉敷帆布トートバックの型を4型からセレクトし、その場でプリント仕上げして自分好みのトートバックが作れるというもの。Makers’BaseのFacebookやInstagram、店舗による一般投票、審査員による投票で選出された20点のうち、15点は台湾デザイナーの作品だった。また、デザインは、テーマが「夏」と設定されており、夏の風物詩である金魚やスイカ、かき氷などを描いているデザインが目を惹いた。

日本で行われた審査で台湾のデザイナーの作品が15点選ばれた事について、7日に店頭に立ち寄った台北市文化局の謝佩霓局長は、「台湾と日本はとても密接で、この度のデザイナー達も日本に対する理解があったので、今回のデザインは日本らしいデザインになった。また、このように台湾デザイナーが日本の方達に受け入れられるデザインを生み出せる要因は、日本統治時代があり、日本の影響を受けたという事も関係しているでしょう」と述べた。

台湾デザイナーのプロダクトを説明する台北市文化局の謝佩霓局長
台湾デザイナーのプロダクトを説明する台北市文化局の謝佩霓局長

また、謝さんは台湾デザイナーの強みに対して、「台湾はなんでも自然体。本気で好きという気持ちを自由に表現している。本当のデザイナーとは、設けや利益を考えず、好きという気持ちを大事にデザインするもの」と話した。また、近年の台湾デザインの状況については、「日本市場での台湾デザインプロダクトの輸出は年々増えている。海外からのバイヤーも展覧会だけでなく街中の工房にも来るようになっている。東南アジアは工場というイメージが強く持たれているが、“台北はデザインの町”というイメージに変えたいと思っている」と意欲を語った。

 

 

台北×三越の連携背景

謝局長によると、三越との連携は、Makers’Baseの最高執行責任者の松田純平さんの協力があって実現した企画だという。三越とMakers’Baseは昨年から連携プロジェクトを行っており、両者が今夏の企画を考える中で、松田さんが別件で関わっていた台北市文化基金会の「台湾のデザインをワールドワイドに紹介していきたい」という想いを知り、この度の三者連携企画が誕生した。

Makers’Baseの最高執行責任者の松田順平さん(右)と三越のバイヤー・岡本和彦氏
Makers’Baseの最高執行責任者の松田純平さん(右)と三越のバイヤー・岡本和彦氏

三越のバイヤーである岡本和彦氏によると、海外の団体に三越の一角を提供して展示を行う事は稀な例であるという。岡本さんは「もともと松田さんから、台湾のデザインが進んでいるという事は聞いていたので、今回の企画は即決だった。日本橋三越のお客様は眼がこえていて、ブランドの酸いも甘いも知っている。そのようなお客さまに対して今回のクリエーションはどのような反応が出るのか、顧客動向を見てみたい。そして次のステップに繋げていたい」と話した。

松田さんは、「台湾のデザインはとても進んでいて、私も何度も台湾に足を運んで参考にしている。日本とは発想の仕方が異なっているところが面白い」としていた。

同企画は12日の三越展示終了後、7月30日まで、 Makers’Baseの店舗とウエブサイトで展示・販売される。