台湾の製薬会社が開発したワクチンの接種が始まる

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「国産ワクチン」の接種を受ける蔡英文総統(総統府提供)

 台湾当局はこのほど、台湾の製薬会社が開発した「新型コロナワクチン」の接種を8月23日より開始した、と発表した。すでに蔡英文総統が率先して接種を受けて安全性と有効性をアピールするなど、緊急使用を許可した。

このワクチンは台湾の製薬会社「メディジェン・ワクチン・バイオロジクス」が開発した「組み換えたんぱくワクチン」。しかし、このワクチンは「臨床試験前までのデータ」の段階で接種に踏み切ったため、野党などから疑問や批判の声が出ている。台湾当局は、蔡英文総統の接種の様子をSNSのライブ配信で公開。安全性と有効性のアピールに躍起だ。

台湾では、8月21日までに1回目のワクチン接種者は全人口の約40%で2回目は約3%に止まっている。目下、当局は海外からワクチンの調達を急ぐとともに、台湾製ワクチンの投入によって接種を加速したい考え。ただ、現段階でワクチンの不足は否めない。見切り発車ではあるが、台湾産のワクチン接種に踏み切った要因は決定的な「ワクチン不足」に起因する。

一方、台湾では今のところ感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」は広がっておらず、海外から来た人などを除く域内での新規感染者数は8月に入ってから1桁台で推移している。このため、台湾当局は8月24日以降、1か所に集まることができる人数の上限を、屋内では現在の50人から80人に、屋外では現在の100人から300人に、それぞれ緩和することにしている。