台湾国家芸文賞受賞ダンスカンパニーが日本初公演

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ダンスカンパニーの「布拉瑞揚舞團」(ブラレヤンカンパニー)が日本初公演

台湾原住民族布農(ブヌン)族の踊りや歌謡を題材にした作品「路吶」(ルナ)は12月3日、神奈川県横浜市の神奈川芸術劇場で日本初公演を開催した。入場券はほぼ完売で、強力なパフォーマンスと歌声で観客を魅了した。

演出作品「路吶」は台湾で第17回台新芸術大賞を受賞

上演したのはダンスカンパニーの「布拉瑞揚舞團」(ブラレヤンカンパニー)。台湾の有名な振付師・布拉瑞揚·帕格勒法(ブラレヤン・パガラファ)氏が2015年に結成した現代版ダンスカンパニーだ。設立の経緯についてブラレヤン氏は「自分が若い頃に夢を追うため世界を飛び回っていたが、徐々に自分の文化と離れつつあった。原住民文化を守ろうと思いきって故郷でカンパニーを設立した」と説明した。

台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表が演出前日に劇場を訪れ、ダンサーらと交流

演出作品「路吶」は、ブラレヤン氏が台湾中部の南投県にある布農族の集落を訪れ、そこで集落の伝統的な歌や狩りの成果を叫ぶ「戦功の宴」から着想を得て作り上げたという。初公演が話題になるなど、台湾で第17回台新芸術大賞を受賞した。

日本初公演のきっかけはYPAM(ワイパム、横浜国際舞台芸術ミーティング)の誘致による。同時代の舞台芸術に取り組む国内外のプロフェッショナルが、公演プログラムやミーティングを通じて交流し、舞台芸術の創造・普及・活性化のための情報・インスピレーション・ネットワークを得る場で、「路吶」はプログラムの1つとして上演された。

謝代表はリハーサルを観覧後「とても震撼した」と述べた

台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表が演出前日に劇場を訪れ、ダンサーらと交流。謝代表はリハーサルを観覧後「とても震撼した。原住民の言語がわからないが、体の表現で伝えたいことをしっかり受け止めた」と述べた。

ブラレヤン氏は「言語の関係で観客がわかりにくいかもしれないが、身体の表現は世界中に通じている」とし「観客がパンフレットを読んだら台湾の文化をより一層認識できるだろう」と日台間の交流に期待した。

国家文化芸術基金会の林曼麗会長は作品について「伝統のコピーでなく革新的な作品だ」と論評

公演を協力した国家文化芸術基金会の林曼麗会長は「台湾原住民の文化を基づいて作られた作品だったが、ブラレヤン先生の努力でコンテンポラリーダンスに生まれ変わった。伝統のコピーでなく革新的な作品だ」と論評した。