「台湾の被爆者たち」12人の体験談を収録した本を出版

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 在外被爆者を支援する広島、長崎の市民らが「台湾の被爆者たち」(A5判232ページ、長崎新聞社)を出版した。厚生労働省によると台湾には18人の被爆者が在住で、在外被爆者支援連絡会の平野伸人共同代表らが12人と面会して聞き取った体験談を収録した。平野さんによると、台湾人被爆者の実態を記した本は初めてとのこと。
 
 同連絡会は08年に台湾人被爆者の存在を知り、翌年から実態調査を開始。調査や被爆者健康手帳取得の支援などを行う中で、被爆者同士のつながりが生まれ、昨年11月には「台湾被爆者の会」が設立された。
 
 本には台湾人被爆者への援護が遅れたことに対する国賠訴訟の経緯も記されており、平野さんは「在外被爆者の問題を多角的にとらえている。多くの人に読んでもらえれば」と話している。