~巨塔の男―郭茂林氏を偲んで~台湾科学技術協会2012年夏季講演懇談会 開催

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参加者一同
祝辞を述べる代表処蔡明達科学技術部長
 

 台湾科学技術協会の2012年夏の講演会・懇談会が6月30日、東京・五反田で開催され、30人近くが参加した。講演会の参加者のほとんどが台湾人ということを理由に、全て中国語での講演となった。
最初に台湾科学技術協会の理事長・林敬三博士が挨拶。続いて、台北駐日経済文化代表処の科学技術部部長であり工学博士の蔡明達氏は「羽田―松山空港線就航で日台の交通の便が良くなったこともあり、今後も日台の文化交流を更に深めていきたい」と述べた。
  続いて今回の講演会の主題である、今年4月に逝去した前理事長の郭茂林氏※追悼講演が長男の郭純氏により行われた。巨塔の男と呼ばれ、生前、多くの高層ビル建築に携わった建築家、郭茂林氏の生涯を順を追って説明。100歳まで生きて欲しかったが今年4月、桜が満開で満月の夜、亨年90歳で去ったと、父であり偉大な建築家の郭茂林氏を偲んだ。
その後、淡江大学の李佩華国際部長より同大学内の語学学校「台湾教育センター」の概略の説明となり、「今年11月には東京・市ヶ谷に日本事務所を設立する予定」、とした。同大学は台湾でトップクラスの私大で語学分野は特に優れており、卒業生は各方面で活躍している。最後の講演は、日本でも名の知れた台湾のパソコンメーカー、華碩電脳(ASUS)の林全貴品質部長により行われた。「永続型経営環境とイノベーション(革新)」と題した専門講演に参加者は真剣に耳を傾けていた。
当日は日本で活躍している台湾の技術者が多数参加、終始盛り上がりを見せていた。
※郭茂林…建築家。1921年台湾生まれ。1940年台北州立台北工業学校(現国立台北科技大学)を卒業後来日。東京大学助手を経て、霞が関ビル、サンシャインシティ、台北駅、など日台で数々の高層ビル建築に携わる。台北駐日経済文化代表処も同氏が手掛ける。2007年華光奨章(日本では国民栄誉賞に相当)受賞。2012年4月死去。現在、同氏をテーマにしたドキュメンタリー映画「巨塔の男-郭茂林」を制作中、今秋公開予定。