鴻海、シャープへの出資を減額

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-提携は維持、銀行団がシャープ追加融資へ―
シャープと資本、業務提携した台湾の鴻海精密工業(Foxconn)はこのほど、出資額を当初予定の約669億円から減額する方向で最終調整に入った。再建を目指すシャープが今年度も巨額の赤字見通しとなり、現在、株価が急落していることによる。提携自体も不安視されるなか、両社は近く声明を発表する。提携を維持する鴻海は、予定通り筆頭株主となるが出資の減額を言及する模様。
 鴻海は今年3月、シャープ株を1株550円で約670億円購入し、9.9%の株を保有して、シャープの筆頭株主になる契約を締結した。しかし、シャープの今年度決算の赤字見通しが発表され、今年6月には約38年振りの安値となる176円まで値を下げ、その後も契約時の約3分の1の株価に低迷している。現行の出資額では鴻海に損失が生じるため、鴻海はシャープに対して見直しを提案しており、両社の声明が注目される。
 またこれを受け、みずほコーポレート銀行、三菱東京UFJ銀行などシャープの取引銀行は8月8日、同社に追加融資する検討に入った。