奇美博物館の収蔵絵画、「エル・グレコ展」に出展~東京と大阪で開催~

0

 台南の奇美博物館所蔵の絵画「聖マルティヌスと乞食」がこのほど、NHKなどが主催するスペイン絵画の巨匠エル・グレコの回顧展に出展することになった。同展は2012年10月16日~12月24日に国立国際美術館(大阪市北区中之島)で、2013年1月19日~4月7日に東京都美術館(東京都台東区上野公園)でそれぞれ開催される。
 「聖マルティヌスと乞食」は、エル・グレコ氏がスペイン・トレドのサン・ホセ礼拝堂の祭壇画として描いたもので、オリジナルに基づく縮小版がいくつか存在している。同作品はそのうちの一つ。裸の物乞いに自らのマントの半分を分けて与えた聖マルティヌスの生涯の1シーンが描かれている。同作品は第4章「画家にして建築家;近代芸術家の祭壇画制作」で展示される。奇美文化基金会の藩元石・顧問によると同作品は1998年に基金会がヨーロッパのオークションでその1つを購入、奇美博物館の収蔵品の目玉として展示されているという。
 また、西洋美術史上最も偉大な画家の1人であるエル・グレコ氏の作品は、人体の長身化や鮮やかな色彩、超自然的な光の効果が特色として知られる。
 奇美博物館は台湾を代表するハイテク企業、奇美グループの創業者・許文龍氏が社会貢献の一環として故郷台南に「財団法人・台南市奇美文化基金会」を設立し、1992年に奇美博物館を開設した。