シャープ、鴻海以外からの出資受入れを検討

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 シャープと鴻海精密工業との資本提携交渉が難航している。両社は2013年3月までの最終合意を目指しているが、未だにシャープの経営再建の先行きに不透明感が漂っている。このため、シャープは鴻海以外からの出資受入れも検討している模様。今年3月に両社は、鴻海が1株550円で第三者割当増資を引き受け、シャープに約9.9%出資することで合意。しかし、その後シャープ株が下落し交渉がもつれている。シャープの奥田隆司社長は11月1日に開いた2012年4月~9月期決算発表の記者会見で、鴻海との資本提携について「鴻海との協議は続いている」と話し、鴻海の郭台銘会長とも定期的に電話で会談しているとした。協議が長引いている理由として「提携発表後にシャープの株価が大幅に下落したことがある」と説明。鴻海との資本提携がまとまらなかった場合に他社との提携はあるのか、との質問には「いろいろな可能性を考えている、ここで述べられるものはない」との考えにとどめた。
 シャープは多額の損失計上で財務の健全性を示す自己資本比率が9月末には9.9%と今年3月末に比べ14ポイント低下した。目下、財務体質強化に向け資本提携が不可欠になっている。
 また、シャープは10月23日に新型液晶「IGZO(イグゾー)」を搭載したスマートフォンを鴻池と共同で開発する検討をしていることを明らかにしたばかりだが、両社の資本提携はまだ地に足がついていない状態が続いている。