台湾先住民族タイヤル族日本公演、盛大に開催

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主催者、来賓の皆さん
主催者、来賓の皆さん(右から4番目が台北駐日経済文化代表処沈斯淳代表、左から6番目が今回の公演の共催、山梨台湾総会の余麗玉会長)

台湾宜蘭県大同郷出身の台湾先住民族タイヤル族伝統舞踊団は、大田区池上囃子伝統舞踊とのコラボによる、国際文化交流を目的とした初の日本舞踊公演を、9月8日、大田文化の森多目的室で、盛大に開催した。主催は大田文化の森運営協議会、共催は池上地区まちおこしの会、山梨台湾総会だった。

会場の様子
会場の様子
会場の様子
会場の様子

企画・コーディネートを担ったのは、2010年から2012年まで東京都大田区の観光大使を務め、現在は観光大使OB、共催の山梨台湾総会理事、かつ、宜蘭県原住民部落特色産業策略連盟協会日本分会支部長でもある田村恵美(高恵芬)さん、また、今回のタイヤル族伝統舞踊団を率いて来たのは高恵利理事長だった。

歓迎の舞
歓迎の舞
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歓迎の舞

会場満席(定員234席)のなか、午後1時30分、司会小関みどりさん、通訳・コーディネート田村恵美さんの開会の挨拶で舞踊公演がスタート。最初にタイヤル族の“ふるさと”宜蘭県大同郷の紹介(ビデオ)、次いで、民族衣装に身を包んだ舞踊団メンバーが会場前部の舞台スペースに登場し、「歓迎の舞」を2曲踊った。

台北駐日経済文化代表処沈斯淳代表
台北駐日経済文化代表処沈斯淳代表
河野秀夫地域振興部長
河野秀夫地域振興部長
池上まちおこしの会樋口幸雄会長
池上まちおこしの会樋口幸雄会長

来賓挨拶、来賓紹介も行われた。台湾側を代表し挨拶に立った台北駐日経済文化代表処沈斯淳代表は、冒頭、「東京のオリンピック招致成功、おめでとうございます」と語ると会場は大きな拍手に包まれた。沈代表は、日台間の航空路線の開設が増え、毎週330便が運航され、往来人数は年に300万人に達していること、宝塚歌劇団台湾公演の成功、来年6月の国立故宮博物院収蔵品の日本展開催などに触れ、「文化交流を通じてお互いが良好な関係を着実に築かれていることを実感しています」と述べるとともに、「今回の公演をきっかけに神秘な先住民族を肌で感じて理解してもらえれば友好関係はさらに深まるものと期待します」と述べた。

日本側は大田区長の代理として河野秀夫地域振興部長が挨拶し、「今回の公演は地域振興部所管の“大田文化の森”の公募事業で3回目となります。初めて参加させていただき、今、踊りを見まして青森のねぶた祭りを思い出し、大変、楽しくなりました」と公演の成功を祈念した。また、共催団体の池上まちおこしの会樋口幸雄会長は、観光大使の任期は2年、田村恵美さんがOBとなった今も交流が続いているとし、「今日、大田区の文化と台湾の文化が一堂に会し、こういう公演が催されるのは最高ではありませんか?」と観客に呼びかけた。

宜蘭県原住民部落特色産業策略連盟協会日本分会支部長でもある田村恵美(高恵芬)(右)、タイヤル族伝統舞踊団を率いて来たのは高恵利理事長(左)
宜蘭県原住民部落特色産業策略連盟協会日本分会支部長でもある田村恵美(高恵芬)(右)、タイヤル族伝統舞踊団を率いて来たのは高恵利理事長(左)

この後、6年かけて覚えたというタイヤル族の歌「古調」(歌詞がない)を舞踊団高恵利理事長が熱唱、舞踊団の“豊年祭り”の踊りも披露された。

池上囃子(日本伝統舞踊)の演舞
池上囃子(日本伝統舞踊)の演舞
恵比寿様、大黒様
恵比寿様、大黒様

第2部は池上囃子(日本伝統舞踊)の演舞だった。獅子舞い、ひょっとこ、纏い、恵比寿様、大黒様が登場し、会場を沸かせた。なかでも獅子舞いは会場を練り歩き、台湾式にお金を口でくわえ込み、参加者の災いを“食べた”。

豊年祭りの舞
豊年祭りの舞
抽選会の様子
抽選会の様子
舞踊団のパフォーマンス
舞踊団のパフォーマンス

第3部は、舞踊団と参加者とのコラボによる舞踊団のパフォーマンだった。舞踊団の豊年祭りの踊り、高恵利理事長によるテレサ・テンの夜来香の歌で盛り上がったところで抽選会が行われた。景品はタイヤル族ゆかりのもので、「池上」(台湾に同地名あり)産のおコメが話題になった。

高山青の合唱
高山青の合唱
歌って踊って
歌って踊って
舞踊団紹介
舞踊団紹介

最後は、台湾原住民の歌「高山青」を参加者全員で熱唱、沈斯淳代表をはじめとして来賓も次々と舞台に登場し、歌い、踊った。

閉会の辞は田村恵美さんが述べた。「私の出身地を少しでも分かっていただけたら嬉しいです。そして、国際交流という意味だけでなく、人と人との触れ合い、皆様とのお付き合いを大切にしたいと思います。また、お会いしましょう」。