「福岡中華学校」設立を目指して中国語クラスを開講!

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集まった生徒と関係者たち

 福岡中華学院(海 澤洲校長)が主催し、台北駐福岡経済文化弁事処(陳忠正処長=総領事)、九州台灣同鄉會(海めぐみ会長)などが後援するなどが後援する中国語習得クラスが8月23日、福岡市立中央児童会館で開催され、11歳から22歳までの生徒や関係者など、20名を超す人々が集まった。

 同クラスは、日本に住む台湾人の子弟がともすれば母国の言葉である中国語を忘れ、それに伴って台湾の文化までを忘れることを防ごうとする考えから発生したものであるが、ゆくゆくはこれを東京、横浜、大阪に次ぐ日本で4番目の「中華学校」設立に結びつけようとする遠大な構想を持っている。

 日本で生まれたり、年少のころに日本に来た台湾人子弟は日本に同化するのが早い一方で、素晴らしい意味を持つ繁体字の中国語を忘れ、そこから生まれた文化から遠ざかる傾向にある。また、日本のものとは微妙に違う「ビーフン」、「ちまき」、「豚足」や台湾独特の「大根もち」などの食べ物も自分では作れなくなる傾向にある。

 2019年に僑務委員に就任した海澤洲氏は、家庭内で使う中国語しか話せない子供たちにきちんとした中国語を教えると同時に、彼らの友達である日本人子弟にも中国語を学んでもらい、お互いをより深く理解しあえる環境を作ることを目的として、私財を投げ打つ覚悟でこのプロジェクトを推進している。

講座の目的と概要を説明する海 澤洲氏

 当日講師を務めた余啓貞さんは台湾の高校を卒業後東京で栄養士の資格を取り、福岡で10年以上台湾料理店の店長を務めてきただけに「台湾の中国語の素晴らしさと一緒に、美味しい台湾料理も伝えたい」と意気込む。「愛」という文字から「心」を抜いたり、「葉」という字から「木」を抜いた簡体字からは言葉の持つ意味や文化は伝わらない。また、台湾の中国語の発音には巻き舌がなく、日本人にも発音しやすいはずと言い、日本人の参加に期待を寄せる。

歌と踊りで中国語を教える余啓貞さん

 このプロジェクトの推進には、7月に台湾本国の教育部(文部科学省に相当)から福岡領事館に出向で着任した王鴻鳴課長も参加する。

プロジェクトの推進メンバー(左から余啓貞、海 澤洲、陳忠正、王鴻鳴のみなさん)