台湾教育部、九州大学と「台湾研究講座」のMOUを更新

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MOU締結式に出席した関係者

台湾教育部(文部科学省相当)が支援する九州大学の「台湾研究講座」が2期目を迎えるにあたって、9月25日に久保千春総長台北駐福岡経済文化弁事処の陳忠正処長(総領事)の間で、次の3年間に向けた更新MOU(覚書)の調印式が行われた。

同講座は世界各国の大学に台湾研究拠点を作ることを目標として台湾教育部が開設を支援するもので、日本では早稲田大学、大阪大学に続いて、2017年に九州大学に設けられた。

第1期の3年間(2017年10月~2020年9月)では次のような活動が行われた。

①【教育分野】では、著名な研究者を招待しての「台湾事情(Taiwan Today)」の授業。国立台湾師範大学と九州大学の合同授業(英語・大学院レベル)。東京大学との共同運営による「台湾フィールドワーク」授業。の実施など

②【研究分野】では、国立台湾師範大学教育学院、台北医学大学、国立台湾科技大学などとの大学間連携。台湾の様々な大学からの研究者の招へい。台湾関連のシンポジウムの開催。など

③【地域貢献】活動としては、「台湾事情セミナー」を一般市民に公開。日本台湾修学旅行支援研究者ネットワークを通じた修学旅行事前授業や研修先の提案。など。

これからの第2期(2020年10月~2023年9月)では、第1期の活動の継続拡大とともに、「台湾研究を行う欧米の大学との連携」や「九州大学・台湾大学専門家会議への参加」などが打ち出されている。また、九州大学内の他学部(教育学部以外)や留学生センター、共創学部などとの連携を模索することとしている。

MOU調印に先立って挨拶した久保千春総長は、まずコロナ禍の中にあって台湾から九州大学病院へ医療用マスクやフェイスガードなどが寄贈されたことについて謝辞を述べた。

挨拶する久保千春総長

次いで、総合大学として海外の数多くの大学と交流協定を結ぶ九州大学にあっても、台湾大学、台湾科学技術大学、台湾師範大学とのMOU締結、旧花蓮大学との連携、九大文学部出身で文化大学学長の存在、工学部出身でサンフランシスコ在住の台湾籍卒業生が九大内ベンチャー企業の立ち上げに貢献してくれていることなど、九州大学と台湾との深い関係に触れ、台湾教育部からの2期目の支援を有り難く受け入れ、今後も駐福岡弁事処と協力して、教育、研究の学術間交流並びに学生交流を発展させていきたい。と述べた。

挨拶する陳忠正処長

これに対して、陳忠正処長は、冒頭現在の台湾の日常生活に欠かせない米、上下水道、道路、港湾、鉄道、公共衛生、教育など様々な分野において、日本の人々からもたらされた貢献と恩恵への謝意を述べた。

次いで九州大学が「台湾研究講座」の第1期において多くの成果を上げたことや10月から2期目がスタートできること自体、新たな恩恵であると述べて久保総長をはじめ、関係者の尽力に感謝の意を表するとともに、今後も幅広い範囲の協力を頂きたいとの希望を示した。

その後、久保総長、陳処長がMOUに署名し、調印式を終了した。

MOUに署名する久保総長(左)と陳処長(右)
署名したMOUを披露する久保総長(左)と陳処長(右)