コロナ感染拡大・紛争に伴う市場経済リスクを回避 ~台湾タイル 大量に日本へ上陸~

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(株)ユニオンアートジャパンコーポレーション(日本聯合設計株式会社) 本社ビル

近年の新型コロナウイルス感染拡大、及びウクライナ情勢の緊迫化に伴い資源価格の高騰、並びに為替による原材料価格の上昇など、市場経済はこれまでにない危機に襲われています。世界的に高インフレが観測される中で、日本経済も大きな影響を受けており、国内外で経済情勢が不安定となっております。

 弊社としては、仕入れ先を分散して安定的なタイル生産、輸入が必要であると考え、約7年前からベトナム、マレーシア、台湾とアジア圏全域でタイル製造が行える信頼できる工場を探してまいりました。私自身台湾の出身であり台湾・日本に貢献したいという思いの元、総合力の高い台湾企業を選定致しました。2000年から2020年にかけて、中国は飛躍的に経済発展を遂げました。一方で、中国では人件費や物価が高騰し、さらにコロナ隔離やロックダウンの影響を受けて更なるカントリーリスクが内在しております。もはや中国は世界の工場ではありません。

 そのような背景を踏まえて、中国から台湾への生産移管をすべく、台湾の莺歌にある企業と共に数多くの努力と苦労を重ねてまいりました。数十回に渡る台湾企業とのオンライン会議を踏まえて、サンプルのやり取りを重ねたのち、ようやく昨年より本格的に日本市場向けの出荷を開始することが出来ました。

台湾莺歌工場生産ライン(SACMI社製プレス機)

 当企業では約5年前にイタリア最大の設備メーカーであるSACMI社の最新式設備を導入しております。また、デザイン・釉薬はイタリアから直輸入しておりますので、イタリア製タイルと遜色ない仕上がりとなっております。複数サイズラインナップを有しておりますので、住宅並びに非住宅(商業施設・店舗)で幅広く活用出来るものと考えており、日本市場に複数商品を投入すべく戦略的に拡販してまいります。

 自身で会社を設立し、現在に至るまで数十年に渡って建材タイルをデザイン、開発してきた㈱ユニオンアートジャパンコーポレーション(日本聯合設計株式会社)、代表取締役社長の廣川啓智。日本を拠点にあらゆる製品にデザインを施し、価値のある商品を世界各国のお客様にお届けしています。

台湾莺歌工場生産ライン(TECNO FERRARI社製搬送ライン)

Design(デザイン)、Quality(品質)、Price(価格)

 この3つがそろって初めて、価値のある商品と考えます。国内のハウスメーカーと共同開発したタイルは、デザイン・色・質感の全てにおいて、お客様のニーズに沿った品質で製造・販売。これまで日本の建築業界から高い評価を得て広く使用されています。また、タイルの本場であるイタリアのデザインと、和紙や漆などの日本の伝統文化の融合を実現し、弊社にしか実現できないオリジナルタイルの製造もおこなってきました。現在、提携工場の主な拠点は台湾・中国であり、今後はアジア全域を視野に入れて準備を進めております。工場での生産管理から日本国内への輸入まで、すべて一貫で行うことにより、高品質でハイレベルなデザインの商品を、納得の価格にてご提供いたします。

 建材の中でもタイルは、日本に於いては玄関等の最初に人の目が触れる場所で使用される重要な建材です。弊社では日本の各種建築に合致したサイズ展開をし、日本国内の大手住宅メーカー各社に採用されております。弊社がタイルを供給し、国内にある積水化学の工場でこのタイルとユニット部のプラスチックとを結合させる事でユニットタイルの「クレガーレ」が生産されています。このユニットタイルは、ユニット部には雨が降っても水切りが可能な設計がされており、大手住宅メーカー各社のバルコニーやベランダで使用されております。タイル部分の生産については、デザインを㈱ユニオンアートジャパンコーポレーション(日本聯合設計株式会社)が担当し、台湾企業と手を組んで、年間数百コンテナ・年間数百万ドルのペースで輸入をしております。最初は少量での生産からスタートし、今では国内大手ハウスメーカー10社に採用される程の商品にまで成長しております。同商品は発売以来、一貫して高品質を維持しており、良品率は99.5%以上の数値を記録。バルコニー向けタイル「クレガーレ」(150角/RIENA・VALUE)は2003年に販売開始されてから現在に至るまで、累計販売枚数は1億5千万枚を突破しました。安定の品質と高いクオリティを保ち続ける「クレガーレ」は、今なおハウスメーカー様に採用され、ロングセラー商品として多くの施主様に愛され続けています。

累計販売枚数1億5千万枚 CREGARE (150角/RIENA・VALUE)(写真提供:積水化学工業株式会社)

 また、積水ハウス社の最先端・最高級の注文住宅であるシャーメゾンで採用されているタイルは、㈱ユニオンアートジャパンコーポレーション(日本聯合設計株式会社)が長年のデザインの経験を活かして開発した商品が使用されており、主な用途としては外庭やエントランスです。タイルは工場にて人工的に作られる為、山を切り開いて削り出される天然石とは異なり、自然環境への負荷が非常に少ない事がポイントとなります。弊社の石目調タイルは天然石と遜色のない意匠であり、同時にプレスによる立体成型を行っている為、肉眼での両者の判別は非常に困難な水準にまで既に達しております。環境保護の観点からもタイルは非常に重要な部材です。現在、台湾企業とタイアップして、最新のイタリア製インクジェットプリンター、大型プレス等の設備を導入し、あらゆるサイズのタイルを市場に投入しています。

600×300 グランドUAⅡ(写真提供:積水ハウス株式会社)

 昨今、台湾から中国への貿易規制が拡大されていると聞いております。弊社は台湾と世界の架け橋となるべく、まずは弊社オリジナル品の日本向け和風タイルの研究開発に取り組んでおります。世界に展開している日本食レストランなどで幅広く受け入れられるような和風タイルの販売を目指して、全力を挙げて取り組んでまいります。

㈱ユニオンアートジャパンコーポレーション(日本聯合設計株式会社)
代表取締役社長 廣川啓智


廣川啓智氏(黃啟智)来歴
台北市生まれ。台湾芸術大学を卒業後、大阪芸術大学へ留学。卒業後に、日本で起業し、デザインを中心に様々な事業を展開し、成功をおさめる。現在、日台商工交流会会長も務められ、日台間での企業交流を推し進めている。また、発展途上国に住む人々や日本及び台湾の貧困家庭、孤児院に日本製毛布を贈る活動も毎年行なっておられ、社会への奉仕も大事な仕事の一つとされている。

台北駐大阪経済文化辨事處 向處長(左)、楊秘書(右) ㈱ユニオンアートジャパンコーポレーション(日本聯合設計株式会社)本社前
向處長(左)、楊秘書(中央)