【日本旅行】自分を追放する旅~古河で日本歴史と出会う

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古河駅での写真

待ちに待ったゴールデンウイークがあっという間に終わった。周りの友達は台湾に戻ったり、観光地に旅行したり、家でゴロゴロしたり、それぞれの連休を楽しんでいた。

その中「私は連休中、東京にほど近く、観光地ではないところに行って、ネットの世界から消えてそちらで一人ののんびり生活を楽しむ。そうすると、仕事や人間関係に気にせず、思いのままにやっていればいい」と、この前のカフェ巡りで友達から教えてもらったことを思い出した。

「なんという素敵な過ごし方!」と、私は思いつつ、自分にとってホッとできる街を探し始めた。東京の近くで観光地ではない場所は沢山あるが、どうやって旅先を決めたほうがいいかと結構悩んでいた。ここで頭に浮かんできたのは茨城県の古河だ。

「ここでは一人の旅を楽しめる!」と駅前のホテルに予約を取った。

静かな地方都市・茨城県古河市

電車に降りて目に映ったのは、日本の地元都市だったらどこでも似ている風景だ。降りた乗客数も少なく、どうやら普通の街らしい。

古河に着いた時間は少し早かったので、ホテルのチェックインはまだできない。とりあえず駅内の観光案内所に案内してもらおうと、案内所の方に声をかけた。

公方・足利義氏が建てた寺

「古河公方公園に行きたいだけど、そこに行くバスがある?」と聞いたら「そこに行きたいなら歩行の方がおすすめですよ」との返答をもらい、古河の観光地図も手に入れた。

公園までの距離はおよそ2キロ。地図に参照しながら、のんびりで歩こうと思っていたが、すごくいい天気なので、汗がすぐ出てしまった。道中の飲食店はほとんど営業しておらず、とても静かになっていた。

「コンビニで昼ご飯でも済まそう」と思った私はびっくりした。コンビニには席が設置されてなく、食べ物を買ってもお店で食べられない。仕方なく、水を買って引き続き公園に向かった。

関東の首都・下総国葛飾郡古河城

駅から歩いて45分程、やっと目的地・古河公方公園に到着。今回の旅における一番行きたい場所だった。

私は歴史が好きだ。特に平安末期から武家の名門で、のちに鎌倉北条家を倒し、一門を率いて建武政権を終わらせて室町殿として武家棟梁になった足利氏の大ファンだ。古河といえば、第5代鎌倉公方・足利成氏が享徳の乱において西の将軍を対抗するため、鎌倉から古河に移って「古河公方」と呼ばれていた歴史を持っている。

古河公方館跡

古河は約130年に渡り「関東の首都」の機能を担いだ古町だ。近代に至って工業都市として繁栄していたが、やはり少子高齢化と移住問題で、人口が次第に減少していった。

しかし古河は長い歴史を持つことで、市内ではたくさんの寺、神社が残され、ひっそりと関東の歴史を物語っている。古河公方公園でも、最後の公方・足利義氏のお墓が置かれており、そちらに近づくと、静かな雰囲気が感じられた。

だが、古河歴史博物館に行くと、まだ違う雰囲気を味わえた。最近日本から国宝文物である刀剣を擬人化するゲームが「歴女」プームを巻き起こし、自分が好きなキャラクターの原型を観たい若い女性たちにより、博物館では活気が溢れていた。これからも歴史関係のゲームが大人気になり、古河のように豊かな文化を保存しているところに訪れる人が増えていくと、私は期待している。

一人の時間を大切に

 古河市内観光を終えた私はホテルでのんびりと、一人の時間を楽しんでいた。誰にも配慮せず、自分がやりたいゲームをやり、観たいドラマを一気に観た。別に食べたい物もなく、ファストフードなどで食事を済ませた。駅前でやっているメキシコタコスは格別な味だった。

 ホテルでは大浴場が付いていた。人工温泉だったが、お風呂に入る瞬間、今まで溜まってきたストレスが吹っ飛んだ。2日目には早めにホテルに戻ったので、なんと一人で大浴場を独り占めることができた。これ以上の幸福はないだろう。

 正直に言うと、今回の古河旅行は別にいろいろなところに行くことがなかった。思いのままに好きなことをやったり、食べたいものを気にせず食べたり、行きたいところに行ったりにした「わがまま」旅行だったが、とても楽しかった。

 このような時間があるからこそ、現代社会に生き抜けると、私は改めて認識したのだ。