鴻海創業者郭台銘氏、次期総統選に出馬表明

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郭台銘氏、次期総統選への出馬を表明(写真:中央社)

台湾の鴻海精密工業の創業者、郭台銘氏は8月28日、次期総統選に無所属で出馬すると表明した。郭氏は「今の民進党政権は台湾をあと一歩で戦争に引き込まれるところに引き連れた」と批判し、政権交代の必要性と野党の連携を訴えた。

郭氏は2019年に同社トップを退き、野党国民党の総統選立候補に出馬したが、党内予備選で当時の韓国瑜高雄市長に敗戦し、候補指名を獲得できなかった。今年は改めて国民党の立候補に出馬する意欲を示したが、国民党は侯友宜新北市長を指名したため再び獲得できなかった。

その後郭氏は「主流民意大連盟」を召集し、台湾各地で行きまわって選挙活動を行ってきた。同23日、郭氏は台湾の離島金門県を訪れ「金門平和宣言」を発表し、対中関係の改善に力を尽くすとの姿勢を示した。また国民党の侯友宜新北市長や民衆党の柯文哲前台北市長などの野党の総統選立候補に対し「政権交代を実現するため、野党の連携が必要だ」と呼びかけ、自らの次期総統選への出馬を諦めなかった。

郭氏は同28日の記者会見で「今後は総統選立候補として出馬する」と正式的表明し「今までの人生は政治にあまり関わっていなかったが、この7年間民進党の悪政により、台湾は外交のみならず、経済状況も悪化し続けてきた。今こそ政権交代を果たし、台湾を救うのだ」と語った。

また自身の政策として郭は「米中関係に影響されず、台湾はウクライナの状況に決してなるわけにはならない」と表明。「政府機能の効率化を重視し、20年をかけてアジアにおいて最も国内総生産(GDP)が高い国になって見せる」と宣言した。

なお台湾の「総統副総統選挙罷免法」によると、無所属の候補者の出馬には連署の階段があり、今回の連署人数は29万人以上の署名が必要される。