麻生氏、台湾正副総統と会談

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蔡英文総統と会談(写真:総統府)

自民党の麻生太郎副総裁は8月7日~9日まで台湾を訪問している。同8日、頼清徳副総統と総統府で昼食会を行った。来年1月の次期総統選に出馬する頼氏は、蔡英文総統の路線を継承し、日本と米国などの民主主義国家と共にインド太平洋の平和と安定を守っていく姿勢を示した。

総統選の候補者の考えを知りたいとの考えを示した麻生氏。台湾海峡情勢の緊張に触れた上で「有事が起きた際の台湾在住日本人の退避」を言及し「台湾が自己防衛力を発揮できるか」にも関心を寄せた。

麻生氏、頼清徳副総統と昼食会(写真:総統府)

頼氏は挨拶で「日本と台湾は信頼できるパートナーで重要な貿易のパートナーでもある」と指摘し「蔡総統の路線を引き継いだ上で台湾を引き続き強大にしていく」と表明。「インド太平洋の安全を守り、台湾の政治的決意を見せる」と語った。

台湾メディアによると、麻生氏は頼氏のほか、日本を訪問した総統選の野党の候補、柯文哲前台北市長(民衆党)や侯友宜新北市長(国民党)とも面会しているという。

頼氏との会談を終えた麻生氏は引き続き、蔡英文総統と総統府で会談した。

蔡氏は挨拶で「日本は台湾の重要な国際パートナー」だとした上で「麻生氏が副首相兼財務相だった2020年、参議院で台湾の新型コロナウイルス対策を称賛し、世界保健機関(WHO)が台湾を排除していることに異議を唱えたことに感謝したい」と述べた。

麻生氏が挨拶(写真:総統府)

また蔡氏は「サプライチェーンの再構築などは世界各国の重要な課題となっている」とし「台湾と日本間の官民の連携を通じ、より強靭で安全なサプライチェーンを打ち立てることを期待している」と語った。

麻生氏は「日本が台湾と断交した後も、自民党青年局が台湾との交流を続けてきた」と言及。自身や故安倍晋三元首相、岸田文雄首相らが青年局長経験者であることに触れた上で、台湾との関係を維持すべきという意思が党内で受け継がれてきたとの考えを示した。

さらに同氏は「お互い困ったときは助け合い、喜びも分かち合うという日台関係であり続けたい」と語った。