米対台窓口機関トップが訪台 総統選候補らと面会

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ローセンバーガー氏が訪台(写真:総統府)

米国対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)のローセンバーガー主席は10月15日~19日、台湾を訪問した。台米関係、地域情勢、経済投資問題を巡って台湾政府の関係者、企業代表らと会談し、来年1月に控える総統選に出馬する候補らも訪問した。

ローセンバーガー氏が今年3月20日に主席就任以来3度目の台湾訪問。台湾外交部が訪問初日に出した報道資料によると、ロ氏が頻繫に台湾を訪問することにより、米国が台湾との関係強化に期待を寄せていると指摘した。

蔡英文総統を表敬訪問

蔡英文総統を表敬訪問(写真:総統府)

ロ氏は同16日、蔡英文総統を表敬訪問。蔡総統は挨拶で「『21世紀台米貿易イニシアチブ』第一段階の協議はすでに調印し、第二段階も8月から展開している」とし、台湾と米国が経済貿易、安全保障面における協力を強化すると期待している。

ロ氏は「米国と台湾は台湾海峡の平和と安定に共通の利益をシェアしている」と指摘。「米国による台湾への承諾は盤石なもので、政権交代でも変わらない。米国は引き続き友人を支援し、台湾に現状維持への努力を期待している」と述べた。

さらにロ氏は「台湾は民主の灯台で、インド太平洋地域における重要なパワーだ」と讃え、11月に米サンフランシスコで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)への参加に期待を寄せた。

各党の総統選候補と会談

頼清徳副総統と面会(写真:頼清徳SNS)

蔡総統への表敬訪問を終えたロ氏は同日、頼清徳副総統と会った。頼氏は与党民進党主席を兼任しており、来年の次期総統選に与党公認候補として出馬する。

頼氏は会見中「様々の研究結果により、台湾は現在たくさんの偽情報に影響を受けている。台湾と米国が手を組んで、中国による輿論戦を避けて『疑米論』の影響を解消するように努めたい」と述べた。また今後台湾が地域情勢における役割について「今まで通りインド太平洋地域の安全に貢献したい」と表明した。

侯友宜新北市長を訪問(写真:侯友宜SNS)

同日夜には野党国民党の総統選候補、侯友宜新北市長と会見。侯氏はSNSで「今年9月の米国訪問は、ローセンバーガー主席の支援をいただいて、米国国会などを訪れ、自身の両岸政策、外交、国防を巡って意見交換した」とし、自分が当選される場合、台湾は地域の平和を貢献できるパートナーとして目指したいと意気込んだ。

柯文哲主席と会談(写真:中央社)

ロ氏は同18日に、第二野党民衆党の柯文哲主席と面会。柯氏は会談中「台湾は強力な防衛能力を作らなければならない」との認識を示し「国際貿易体系において重要な役割を担っているからこそ、台湾の自主性が確保される」と語った。

台湾への承諾は変わらず

AIT台北事務所での座談会(写真:中央社)

ローセンバーガー氏は訪問の最終日、AITの台北事務所で座談会を開いた。ロ氏は挨拶で「台湾への支持はバイデン政権にとって重要な目標で、党派を問わず支持されている」と指摘。

台湾メディアから台湾への支援はイスラエル・パレスチナ衝突に影響されるかと聞かれると、ロ氏は「台米間のパートナー関係と台湾海峡の平和は米国の長期的利益で、世界中のでき事に影響されていない」との認識を示し、米国は引き続き台湾の自己防衛に支持すると宣言した。