台湾次期総統選 各党の立候補者が確定

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次期総統選の候補者が決定(写真:中央社)

来年1月13日に投開票される台湾次期総統選への立候補届け出の受付が11月20日から同24日まで行い、12月15日に告示される。

与党副総統に蕭美琴駐米代表

蕭美琴駐米代表が与党副総統選候補に(写真:蕭美琴SNS)

今年4月12日、与党民進党の2024年総統選予備選挙には頼清徳副総統以外の届け出がなく、正式に候補者に選出された頼氏。

同氏は11月20日に記者会見を開き、ペアで出馬する副総統候補に蕭美琴駐米代表を指名した。頼氏は会見で「米国と史上最高の白井関係を築いた」と蕭氏をたたえ「我々は台湾を団結させ、情勢の変化をチャンスに変えていく」と訴えた。蕭氏は「台湾のために全力を尽くす」と示し、副総統への出馬決意を表明した。

蕭氏は1971年、台湾人の父と米国人の母の中で神戸生まれ、台湾台南市に育った。民進党政権において政党間の外交及び国家安全保障を含む政策と党務の国際化に貢献した。中央政界入り後、延べ4期にわたる立法委員と総統府国家安全会議委員を歴任し、蔡英文政権2期目発足に伴い駐米代表に就任した。2021年1月のバイデン大統領就任式に正式に招待され、1979年以来初めて台湾政府の代表として就任式に参加した。

野党共闘にならず 混戦が続く国民党、民衆党

趙少康氏、国民党の副総統選候補に出馬(写真:趙少康SNS)

各世論調査の支持率においてほぼ同列になった侯友宜新北市長(国民党)と柯文哲前台北市長(民衆党)は11月15日、単独での勝利は見込めないと判断し、馬英九前総統の仲介で会談を行い、候補者一本化で共闘を結成すると合意した。

しかし同18日の協議では、候補者選定の方法をどのように解釈すべきかについて意見がまとまらず、候補者発表を見送りとなった。双方とも協議を継続するとしながら、柯氏が翌19日の選挙集会で「民衆党の総統候補として最後まで戦い続ける」と述べ、両党による野党共闘は破綻した。

吳欣盈立法委員、野党民衆党の副総統選候補に(写真:吳欣盈SNS)

さらに同23日に行われた会談でもコンセンサスを取らず、民衆党は立法委員の呉欣盈氏を副総統候補にし、柯氏は中央選挙委員会に立候補を届け出た際に、報道陣に「私たちの未来を勝ち取らなければならない」と決意を表明した。

なお国民党は、趙少康氏を副総統候補に指定。趙氏は立法委員や台北市議などを歴任し、現在は放送局、中国広播の会長を務めている。このペアの結成について侯氏は報道陣に対し「中華民国を必ず我々の手に取り戻す」と語った。

郭台銘氏、総統選からの撤退表明

一方、無党派として署名推薦での立候補を目指す鴻海精密工業の創業者郭台銘氏は11月14日、集めた署名が90万人を超え、立候補の条件を満たしたと発表したが、届け出の最終日となる同24日、自らのSNSで選挙からの撤退を発表した。

声明では「人は退くが志は退かない」とするとともに、自身が選挙から撤退することで政権交代が実現し、台湾が変化することを願った。

なお、総統選と同日には立法委員選(定数113)も実施される。現時点で62議席を占める民進党は過半数の確保が難しい情勢で、各党は激しい選挙戦を展開する見通しだ。