工研院開発の「陽圧検疫ボックス」がすぐに受注

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工研院の開発した検疫設備「正圧式検疫亭」(工研院から)

台湾で新型コロナウイルスの感染者がここに来て急増し、感染の有無を調べる簡易検査所が台湾各地で次々に設けられる。このなかで台湾工業技術研究院(ITRI)の開発した検疫設備「正圧式検疫亭」(陽圧検疫ボックス)が注目を集めている。現在、たちまち20セットあまりを受注するなど、防疫設備のヒット商品になっている。

工業技術研究院の科学技術プロジェクトで制作された「陽圧検疫ボックス」は、「安全な設計」、「検査可能回数の多さ」、「省エネルギー」、「独立していて清潔」、「迅速な組み立てが可能」という五つの特色を持つ。台湾が世界に誇る半導体工場で使用されるクリーンルームの概念で、病院の外科手術室を上回る空気清浄度を実現している。「世界で最もクリーンな検疫ボックス」としている。

最大の利点は、「検査にあたる医療人員が感染リスクにさらされず安全に検体を採取出来るようになる」という事だ。

新型コロナ感染者の急増により、台湾各地で簡易検査所の設置動向が広がっている現状のなか、「陽圧検疫ボックス」はロータリークラブ、企業、病院などからすぐに引き合いがあった。現在最も人気の感染対策設備になっていると工業技術研究院は説明。ロータリークラブや企業は購入後、地方自治体に寄付するという。

国立台湾大学医学院附設癌医中心医院(台湾台北市)の王明鉅副院長は、自身のフェイスブックで、「陽圧検疫ボックス」ならば医師1人、看護師2人、消毒液を手にスプレーするスタッフ1人がいれば1時間に少なくとも40人から50人の検体採取が可能で、効率がいいと指摘。最も重要なのは、医師たちが空調設備によって快適でありながら厳密に保護された環境で安心して作業出来るようになること。王副院長は、そうしてこそ医療人員が最大の戦力を発揮し、また力を温存出来るようになると説明している。